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「胸糞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

胸糞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
党生活者」より 著者:小林多喜二
」という言葉だけで押し通していること。みんなはそれを見ると、 「これで太田の時の胸糞《むなくそ》が晴れた!」と云った。 私たちは、どんな裏切者が出たり、どんな....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
りとした顔立ちの洋服の紳士が、俛きながら煙草にマッチを摺りつけていた。庸三は何か胸糞の悪いような感じで、この家の気分もおよそ解るような気がした。今まで庸三は、あ....
新世帯」より 著者:徳田秋声
よりほかなかった。新吉の仕向けは、まるで掌の裏を翻したようになって、顔を見るのも胸糞が悪そうであった。 秋の末になると、お作は田舎の実家へ引き取られることにな....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
げてやったよ」 「それはどうも。お気のはやいことで」 「一日に何十回と見るたびに胸糞が悪くなるから、無い方がせいせいするよ」 「しかし、どうも、ちと気がお早すぎ....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
亭主であったのか。そしてボジャック氏、すなわちフン大尉という筋書か!) 彼は、胸糞がわるくなって、ぺっと、床に唾を吐いた。すると、隣りにいたイギリス人が、こっ....
微笑」より 著者:豊島与志雄
初めはそれが電車かと思っているうち、次第に近づくにつれてそうでないことが分ると、胸糞が悪くなるような温気を残して走り去る汽関車に対して私は妙に腹が立ってきた。特....
理想の女」より 著者:豊島与志雄
え妻は肉体を供し、子供――彼等の惨めな後継者――が、年と共に殖えてゆく。 私は胸糞が悪くならざるを得なかった。それほど私のうちには遊惰な心が蟠っていたのだ。民....
反抗」より 著者:豊島与志雄
自分の児だと思うと変な気がする。 これまで書いてくると、手先が震えて止まない。胸糞の悪い頭痛がする。※の筋肉がぴくぴくする。 十月二十四日――日の光りを見....
或る素描」より 著者:豊島与志雄
う……心が顛倒したというか、女を突き飛しておいて、一散に逃げ出してしまった。変に胸糞の悪くなるような髪油の匂いが、気のせいか、いつまでも鼻についていた。そして何....
現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
に気を揉んでいる。ばかな奴等だ。――十年も前から彼等が住んでる部屋を見ると、私は胸糞がわるくなり腹が立つ。然しそれが人生だ。四方の壁、二つの扉、一つの窓、一つの....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
? 俺は此奴《こいつ》らとなんの用があるのか?」 彼らの話や笑声をきくと、彼は胸糞《むなくそ》が悪くなった。しかしその連中と別れるだけの力がなかった。家に帰っ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ち着け、幾時間もぐずついていた。ようやく立ち上がる時には、胃袋が妙にふくれきり、胸糞《むなくそ》の悪い気持になり、飽き飽きしながら物足りなくて、もっとつづけたく....
博物誌」より 著者:岸田国士
さを押し隠して、お前を手でさすってやるよ、蟇君! 人間は、この世の中で、もっと胸糞の悪くなるようなものを、いくらも呑み込んでいるんだ。 それはそうと、昨日、....
剣侠」より 著者:国枝史郎
ねえ、痩せ浪人の身分をもって『刃ノ郷』の俺らの仲間、お妻ッ娘と馴れ合ったのさえ、胸糞悪く思っているのにここら辺りを立ち廻り、博徒の用心棒、自慢にもならねえヤクザ....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ぶれたからとて、その政敵があんな近くに陣取って嘲弄の凱歌を聞かせようというのか?胸糞の悪い! それを聞き、ラレイはむっと黙りこんだまま、そこを退いた。彼は白塔の....