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胸紐
「胸紐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
胸紐の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「爛」より 著者:徳田秋声
書類などを入れた鞄をさげて、お増の方へ逃げて来た。 「こら、どうだ。」 浅井は
胸紐の乳を引き断られた羽織を、そこへ脱ぎ棄てて、がっかりしたように火鉢の前に坐っ....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
写真をとったが、これも、差押えでなくなってしまった。黒木綿の紋付羽織に、白の長い
胸紐、今では、暴力団の外に見られない書生風俗であった。男振りもよかった。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
というわけでもなく、それぞれ適当に相手にはことを欠かないで、まず腰の曲った年寄と
胸紐の附いた子供を除いては、男女ともにお茶を引くというようなものは一人もなかった....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
白に兵児帯して、少し皺になった紬の黒の紋着を着て、紺足袋を穿いた、鉄色の目立たぬ
胸紐を律義に結んで、懐中物を入れているが、夕涼から出懸けたのであろう、帽は被らず....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
いる者の、かかる待遇に会して何と処すべき。 青年はそわそわしたが、いつの間にか
胸紐を外して、その五ツ紋を背後にはらりと、肩を辷らして脱いだのである。 「じゃあ....
「不思議な国の話」より 著者:室生犀星
となくその蛇を趁わなくなり、却ってその蛇にしたしみを持つようになりました。小さい
胸紐のような蛇は、白い腹をし、わりあいに、優しい目をしては丁字屋の人々をながめて....