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「胸腔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

胸腔の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いている。下の一つもだいたい同じ形だが、その方向だけは斜め下になっていて、創底は胸腔内に入っていた。しかし、いずれも大血管や臓器には触れていず、しかも、巧みに気....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ら、抜き取られた。その時、老人は左右の手を、物でも掬うように円く曲げ、ドップリと胸腔へ差し込んだが、肘の付け根から爪の先まで、唐紅に血に染めて、それを再び引き出....
ねずみと猫」より 著者:寺田寅彦
喉が鳴っているのか肺の中が鳴っているのかわからないのである。音に伴う一種の振動は胸腔全部に波及している事がさわってみると明らかに感ぜられる。腹腔のほうではもうず....
人体解剖を看るの記」より 著者:海野十三
外した。するとなかからは、肺臓と心臓とが顔を出した。後から考えてみると、このとき胸腔と腹腔との中は真赤だったのだ。しかし実際このとき僕は、すこしも赤いということ....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
行やサ行などの無声音以外は、欧氏管を伝わって内耳に唸りを起す。然しその無声音も、胸腔に響かせて胸声にして出すと、それが幾つもの段階に分かれて、響いて来るのだ。つ....