胸臆[語句情報] » 胸臆

「胸臆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

胸臆の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
非凡なる凡人」より 著者:国木田独歩
べく畏敬《いけい》すべきものとなしているのである。 彼は例のごとくいとも快活に胸臆《きょうおく》を開いて語った。僕の問うがまにまに上京後の彼の生活をば、恥もせ....
二人の友」より 著者:森鴎外
しかし君の対話は少しも私に反感を起させたことが無い。君の言語は衝動的である。君の胸臆は明白に私の前に展開せられて時としては無遠慮を極めることがある。Verblu....
続黄梁」より 著者:田中貢太郎
、児は朱、恩寵極まりなし。躯を捐て頂を糜し、もって万一に報ずるを思わず、かえって胸臆を恣にし、擅に威福を作す。死すべきの罪、髪を擢きて数えがたし。朝廷の名器、居....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
始終何事をか考えている。 けれど、こう静まッているは表相《うわべ》のみで、乞の胸臆《きょうおく》の中《うち》へ立入ッてみれば、実に一方《ひとかた》ならぬ変動。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
萩のうら葉もうら淋《さび》し 白雲はこういって、微吟しながら、その豪快なる胸臆のうちに、無限の哀愁を吸引し来《きた》ることにたえないらしい。 それにして....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
りもすニ到リ着セル時ハ、北米ノ天ハ寒威猛烈ナル極月ノ、シカモ三十日ナリキ。彼等ノ胸臆ハ火ノ如ク燃エシカド、周囲ノ天地ハ満目荒涼タル未開ノ厳冬也。シカモコノ寒キ天....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
謂えるが、後代風の感じを湛えている。其を除けると、中尊の態様、殊に山の端に出た、胸臆のずっしりした重さは如何にも感覚を通して受けた、弥陀らしさが十分に出ていて、....
曙覧の歌」より 著者:正岡子規
》些《さ》の俗気を帯びず。ことにその題目が風月の虚飾を貴ばずして、ただちに自己の胸臆《きょうおく》を※《し》くもの、もって識見|高邁《こうまい》、凡俗に超越する....
民族の感歎」より 著者:折口信夫
て深刻なものである。が、何故もっと若い、触れ易く受けやすい時代に、斎藤さんを自分胸臆のものにしておかなかったかと思う。全面的に此人を感じることの出来たのは、今か....