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胸裡
「胸裡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
胸裡の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
る者に与えたいとか、自己の身を失っても理想を実行せねばならぬというような考は誰の
胸裡《きょうり》にも多少は潜みおるのである。時あってこれらの動機が非常なる力を現....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
連れて、ひそかに邸を出帆したのです。そして、第何回目かの作業を終った時に、早川の
胸裡に恐ろしい野心が燃えあがったのでしょう。恐らくその作業場と云うのは、あの鳥喰....
「冬日記」より 著者:原民喜
ら、ひとりでそんなことを考えていると、都会の兇悪《きょうあく》な相貌がぐるぐると
胸裡を駆けめぐりそれは一瞬たりとも彼のようなものの拠《よ》りつけそうにない場所に....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
の子である。前者は人種、土地、教理、名称等の相違に留意することなく、その博大なる
胸裡に、地上一切の人類を包擁せずんば止まぬ。彼は対者の意見などには頓着せぬ。彼は....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
である。故に倫理学の書をまだ一ページもひるがえさぬ先きに、倫理的な問いが研究者の
胸裡にわだかまっていなければならぬ。そして実はその倫理的な問いたるや、すでに青年....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
の胸中にわだかまる疑問を解くにたる明らかなる知恵がほしかったのだ。 それでは彼の
胸裡の疑団とはどんなものであったか。 第一には何故正しく、名分あるものが落魄し....
「戦争と気象学」より 著者:寺田寅彦
気象観測所を公設し、ことにカイゼル自身がこの方に力瘤を入れて奨励した。カイゼルの
胸裡にはその時既に空中襲英の問題が明らかに画かれていたと称せられている。これに反....
「日本男子論」より 著者:福沢諭吉
うじん》父兄の品行を学ぶことあらしめたらばこれを如何《いかん》せん。試みに男子の
胸裡《きょうり》にその次第の図面を画《えが》き、我が妻女がまさしく我に傚《なら》....
「我が教育の欠陥」より 著者:新渡戸稲造
なる心念を育して、霊智と親しく交る人あり。これに継ぐに、プラトーの如く、その師の
胸裡に雑然として存在したるものを取りて、雄弁荘重なる言語に托するものあり。而して....
「三国志」より 著者:吉川英治
幕僚もいつか減じて、ようやく、蜀中人はいなくなった) 口には出さないが、孔明の
胸裡にある一点の寂寥というのは実にそれであった。彼には科学的な創造力も尽きざる作....