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胸襟
「胸襟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
胸襟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家」より 著者:島崎藤村
とても同じ。一旦の悲哀よりして互に終生を棄つるなく、他日手を執りて今日を追想し、
胸襟を披いて相語るの折もあらば、これに過ぎたる幸はあらじと存じ候……」 この勉....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
、東京に出て、しかるべき学校にはいって、十分な準備をすると言っている。 三人は
胸襟を開いて語り合った。けれどここで語る話と清三と郁治と話す話とは、大いに異なっ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
の出世を待っている、真宗大学の寄宿舎に似て、余り世帯気がありそうもない処は、大に
胸襟を開いてしかるべく、勝手に見て取った。 そこでまた清々しく一吸して、山の端....
「新たな世界主義」より 著者:豊島与志雄
ては、他国の人々に対していつも微笑を示しながらも、自分のまわりに屏風を立て廻し、
胸襟を開いて交際することが出来なかったし、国外に於いては、その風土になじむことを....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
お話をするときにはあまり好ましくないのでありますから、私の気持はつまりみなさんと
胸襟を開いて、御同行というようなつもりで話したいと思っておるのであります。私は一....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
平もあれば皮肉もある。嫌味も交る。しかしそこには野趣がある。鴎外はここではじめて
胸襟を開いて見せる。いわば羽目を外すのである。鶴見は今ではその事を面白いと思って....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
話をそらして、その晩は、早々に引きあげた。 その日以来、画家と警官とは、もつと
胸襟を開いて話し合う間柄になつた。 増田健次は、しかし、この新しい友人の、どこ....
「月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
れでは一つ祝杯を挙げようじゃないか。もう空気などありたけ吸う気であの空気孔で大に
胸襟を開いて飲もう。」 「賛成※」 といずれもその洞内に赴き、ありたけの蝋燭を点....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
また、チェーホフを褒めあげているメンシコフも、チェーホフが交際好きでありながら、
胸襟を開くことにかけては自ら冷やかな限度のあったことを認めているし、夢中でチェー....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
行きました。これがチベットにおいて私が最後の面白い遊びであった。そこでまあ互いに
胸襟をひらいて、チベット古代の高僧の伝記その他いろいろの話をして愉快に一日を過し....
「近作鉢の会に一言」より 著者:北大路魯山人
作陶家各位も商売敵のように思わないで、また邪魔な存在であるように考えられないで、
胸襟を披かれて同好同職の一人としてご交遊を願いたいと思うのです。 丁度今回大阪....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
と、喜んでばかりもいられないのである。彼は執るべき手段に迷った。そうだ、あっさり
胸襟を開いてみよう――政敵に手を差し伸べてみようとついに決め、それを実行した。す....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ず。いわゆる江湖の遠きにおりて、その国を憂うるものなり。この憂国の情、鬱々として
胸襟の間に積滞し、一結して悶を成し、再結して病を成さんとす。その平常、春花に詠じ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
と云ったじゃないか。
ジイベル
誰でも喧嘩をする奴は、戸の外へ出て行け。
胸襟を開いてルンダ・ルンダでも歌わんか。飲め、騒げ。
さあ、遣れ遣れ。ホルラア。....
「編輯雑感」より 著者:喜田貞吉
記の松井、明石・南の諸氏を始めとし、部落の先覚有志の諸君が、自分の訪問を歓迎し、
胸襟を披いて有益なる資料と調査の便宜とを与えられたのは、また以て感謝に堪えぬ次第....