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胸間
「胸間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
胸間の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
て、苦《にが》い顔をしたのに不思議はない。彼は、再度の打撃をうけて僅に残っていた
胸間の春風《しゅんぷう》が、見る見る中に吹きつくしてしまった事を意識した。あとに....
「労働者農民の国家とブルジョア地主の国家」より 著者:宮本百合子
したのである。だが、労働者のすべてが逃げまどうたのではなかった。 「労働者たちは
胸間のシャツを引き裂いて、同志よ、俺達は死のう、だが一歩も退くな、と叫んだ。」武....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
二弾、第三射撃の響とともに、囚徒が固く食いしぼれる唇を洩る鮮血の、細く、長くその
胸間に垂れたるまで、お通は瞬もせず瞻りながら、手も動かさず態も崩さず、石に化した....
「明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
《つめ》薄く、足は八|文《もん》三|分《ぶ》の定め、親指|反《そ》つて裏すきて、
胸間常の人より長く、腰しまりて肉置《ししおき》たくましからず、尻はゆたかに、物ご....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
曰《のたまは》ク、吾子《ごし》須《すべから》ク多ク古書ヲ読ミ、古人ト言語シテ以テ
胸間ノ汚穢《おえ》ヲ蕩除スベシ。余、当時|汎瀾《はんらん》トシテ之ヲ聞キ未ダソノ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
、呵々《かか》大笑して再び出て行ったきり――礼もなければ辞儀もない。この両心友の
胸間、じつにあっさりとして風のごとくに相通ずるものがあった。
そして。
お艶....
「学生と読書」より 著者:倉田百三
ることを忘れてはならない。「直接にそしてラディカルに」このモットーを青年時代から
胸間に掲げていなくてはならぬ。 けれどもいうまでもなく個人がすべてを実地に体験....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
、つまはじきをするよりも、むしろいうべからざる一種の憐さを感じて、稲妻のごとく、
胸間にひらめき渡る同情の念を禁ずることを得なかった。自分の不思議が疑団氷解。さら....
「申訳」より 著者:永井荷風
三アリ。一ヲ紅隊ト云ヒ、二ヲ緑隊、三ヲ紫隊ト云フ。各隊ノ女子ハ個々七宝焼ノ徽章ヲ
胸間ニ懸ケ以テ所属ノ隊ト番号トヲ明示ス。三隊ノ女子日ニ従テ迎客ノ部署ヲ変ズ。紅緑....
「屍体と民俗」より 著者:中山太郎
かくこうした事実のあったことは疑う余地はない。例えば我国の古代において男女ともに
胸間にさげていた曲玉《マガタマ》なども、その起原は腎臓を生命の源泉としたところか....
「頸の上のアンナ」より 著者:神西清
滑稽なほどぴょんと身体を真直ぐに立て両手を両脇につけた。……それは閣下が燕尾服の
胸間に星を二つも燦めかせながら、彼女の方へ歩み寄って来たのであった。確かに閣下は....