能がない[語句情報] » 能がない

「能がない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

能がないの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春の盗賊」より 著者:太宰治
が、私の天職である。物語を書き綴る以外には、能は無い。まるっきり、きれいさっぱり能がない。自分ながら感心している。ある時は仕官懸命の地をうらやみ、まさか仏籬《ぶ....
彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
、いまからゆっくり話込んでやろうとひそかに決意していた。 「働けないからです。才能がないのでしょう。」相変らずてきぱきした語調であった。 「冗談じゃない。」 「....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
住んでいたが、いずれもぼんやりした者どもで、わずかに仏前に香火を供うるのほかには能がないように見られた。 しかも彼等はなかなかの曲者で、ひそかに松脂を買って来....
旅日記から」より 著者:寺田寅彦
マーと泣き声を出す。父親が子守り歌のようなものを歌ったり、口笛を吹いたりしても効能がない。 四月十六日 喫煙室で乗客の会議が開かれた。一般の娯楽のために競技や....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
生を暮してしまう人もある。 才能を持ちながらも絵をかく事を好まない人があり、才能がないくせに絵がめしより好きな人があり、技術を誰からも習得せずに才能が絵画を輝....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
体のある者には水に打たれるのも或は結構でございましょうが、私どもにはあまりその効能がないようで……。又指導役のお爺さんも『瀑布にはかからんでも、その気分になれば....
久坂葉子の誕生と死亡」より 著者:久坂葉子
んでまでして書かなきゃならないのか、もう私は意地をはるのをよそう。私はこの道に才能がないことをはっきり知ったようだ。どんなに苦心をして作ったものでも、その作品が....
風と光と二十の私と」より 著者:坂口安吾
、やっぱり感じつづけていた。私は少年時代から小説家になりたかったのだ。だがその才能がないと思いこんでいたので、そういう正しい希望へのてんからの諦めが、底に働いて....
探偵小説を截る」より 著者:坂口安吾
書があったが、いかに日本人というものが猿智恵で、与えられたものを鵜のみにするしか能がないか、この投書のみならず在来の探偵小説がそれを証明しており、洋学移入可能の....
中庸」より 著者:坂口安吾
ば今回の事件の如きも、あるいは事前に防ぐことができたかも知れない。私はとりたてて能がないが、ただ一つ中庸を尊ぶことに於て人後に落ちないことが取柄ではないかと考え....
神サマを生んだ人々」より 著者:坂口安吾
にはできやしないよ。コイツ怠け者で女にインバイさせてケチな稼ぎをやらせることしか能がないから、女に逃げられて、カンジンな大モウケをフイにするのさ。近ごろ毎日メソ....
日月様」より 著者:坂口安吾
れ、疎開の運命となった。賭場などへ通い、国民酒場の行列の先頭組のくせに、まったく能がないのである。荷造りし、それを田舎へ運ぶ段取りが手際よく行かない。荷物の発送....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
平生どおりの夢を見ている。夢を見るということがかれの生活になっている。その外には能がない。癖といえば癖、病といえば病であろう。あるいは渇望病だという診断が下るか....
夜の構図」より 著者:織田作之助
って、どんな事……?」 「考えてみたらないのね。芝居もあんまり好きじゃないわ。才能がないからだめ。薦められて女優になったけれど、どうせ大女優になれっこないんです....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
の、それ位の血を取ったところで平気さ。おれはそんな事ででも役に立たなきゃ、ほかに能がない男だから……」 佐々木は、そういって部厚な膝をゆすった。彼の童顔はただ....