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「能役者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

能役者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
洩らした。 三 八橋の男に宝生栄之丞《ほうしょうえいのじょう》という能役者《のうやくしゃ》あがりの浪人者があった。両親《ふたおや》に死に別れてから自....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
寺侍にしては上品すぎる。あるいは観世《かんぜ》とか金剛《こんごう》とかいうような能役者ではないかと、店の主人の孫十郎は鑑定していると、男は果たして店の片隅にかけ....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
音曲や何かはとんと分らん、能が好きじゃ」 大「はア、左様でございますか、それでは能役者を」 數「いや連れて来たよ、二人次の間に居るが、せめて皷ぐらいはなければな....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
譲って、雪叟とて隠居した、小鼓取って、本朝無双の名人である。 いざや、小父者は能役者、当流第一の老手、恩地源三郎、すなわちこれ。 この二人は、侯爵津の守が、....
梅若七兵衞」より 著者:三遊亭円朝
引続きまして、梅若七兵衞と申す古いお話を一席申上げます。えゝ此の梅若七兵衞という人は、能役者の内狂言師でございまして、芝新銭座に居りました。能の方は稽古のむずかしいも....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
じゃが、しかし大きくおなりで、お達者なように見える。まあ、何より結構。 今では能役者と言うものじゃな。はははは、役者々々。はて、うつくしい、能役者はまた上品で....
開運の鼓」より 著者:国枝史郎
者がないので、みすみす食物を摂ることが出来ず、錦の衣裳を纒ったまま飢え死にをした能役者もあった。元大坂の吟味与力の陽明学者の大塩平八郎が飢民救済の大旆のもとに大....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
」 「なに贅沢? これは聞き物だ」 「まず身分を考えるがいい」 「うん、身分か、能役者よ」 「観世宗家の一族ではないか」 「ああまずそういったところだな」 「観....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
かも名人のオモ役者であった。年齢は四十八歳で、りっぱな顔の持ち主であった。由来お能役者やお狂言師は、その職業のしからしめるところか、おおかた使用をする面のような....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
……女中が宿帳を持参すると、八郎はその職業という処へ――「能職。」と認めた。渠は能役者である。 戸籍の届出は、音曲教師だというから、その通りなり、何とか記しよ....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
たものの中で、最も種類の多いのは雑多の遊芸者でありますが、その中でも散楽すなわち能役者の如きは、室町時代から解放せられて、立派な身分となっているのであります。も....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
という。その主張が通って、この訴訟は遂に弾左衛門の敗けとなった。 また同じ頃に能役者金剛大夫が、江戸で勧進能を興行した事があった。この時も弾左衛門から苦情が出....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
引などとともに七道の者と呼ばれ、五ヶ所・十座の唱門の進退に委せられておった猿楽の能役者などは、早くから立派な身分となって、将軍・大名にも近づいていたが、同じ流れ....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
や武士になったものもあれば、遊芸に走って芸術家と重んぜられているものもある。かの能役者の如きも、もとは「道の者」として、非人の長吏支配の下にいたものでありました....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
屋の名を艶名とは如何とは、いうものが野暮である、殊にここには、文士、画家、役者、能役者等様々の芸術家がひんぱんに出入する由、私はカフェーの味というよりも洋酒の味....