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能才
「能才〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
能才の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
《こどう》先生との関係をぷすりと切って棄てたい。しかし自然が結んだものは、いくら
能才でも天才でも、どうする訳にも行かない。京の宿屋は何百軒とあるに、何で蔦屋《つ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
云うのがあるのを御存じですか。事実、ロムブローゾが称讃したというライブマイルの『
能才及び天才の発達』を見ると、その中に、指が痳痺)にも言及しているのです。それに....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
|許りでなく度量を広く持たれます様に、 無慾にして依古贔屓があってはならない、
能才を見出さなければならない、 武のみでは立ちがたいものである、文を修められま....
「道標」より 著者:宮本百合子
った長篇小説を翻訳しているところでもあった。翻訳の話のあいだに、川瀬勇がたいへん
能才なドイツの女のひとを愛人としているらしいことが、伸子たちに察しられた。
こ....
「作家のみた科学者の文学的活動」より 著者:宮本百合子
選ばれている。氏の文章をよむと、科学的なもの、文学的なもの、絵画的なものが一箇の
能才者の内部に綜合された諸要素として立ち現われて来ている。寺田氏の科学的業績を云....
「五〇年代の文学とそこにある問題」より 著者:宮本百合子
家三島由紀夫の才能の豊かさ、するどさが一九四九年の概括の中にふれられていた。この
能才な青年作家は、おそらくもうすでに、彼の才能のするどさ、みずぎわだったあざやか....
「人間性・政治・文学(1)」より 著者:宮本百合子
虚無感を誘い出されて、小説が「拘束」をもっていないということに苦しみはじめた若い
能才の作家・批評家たちが、「ゴマカシの利かない」演劇へ新しい芸術意欲をかけて行こ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
けれど、やはり作者の生活眼、生活感覚が、環境的なものに支配されていると感じます。
能才者という調子があります。上すべりしているというほどではないけれども。そして今....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
けれども、又こうも気をとり直します。私のそういう生理的な丈夫さは、或は私をこれ迄
能才者という範囲に止めていたかもしれないと。生来の明るい迅さで或は物ごとの表面の....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
せない生物的事実でしょうね。死んでも死にきれない事実だと思います。 後輩の中に
能才なものを求める、慾得ぬきの心というものは、科学者にしろ芸術家にしろ、真にその....
「中支生活者」より 著者:豊島与志雄
ない。そしてこの枚挙に遑ないほどの各部門に於て、今や、共存の理念を以て民衆の中へ
能才のはいってゆくのが待望されてる時期なのである。 眼を転ずれば、中支の風光は....
「上海の渋面」より 著者:豊島与志雄
壊して未だ新たな確信を掴みきっていない悩みもあろう。 現在上海には、思想文芸の
能才は甚だ少い。多くは奥地に遁入してしまっている。市内に潜んでいる者は之を見出す....
「「草野心平詩集」解説」より 著者:豊島与志雄
しての格調も整ってくる。 これらの絵巻物は何を示すか。心平さんの、覇気と冒険と
能才とであろう。 六 海は天と照応する。 自然のうちで海こそは、....
「秦の憂愁」より 著者:豊島与志雄
齎すであろうと、そう考えた。そして彼を文化活動の表面へ誘致したかった。彼のような
能才を市井に潜没させておくのは、惜しみても余りあることだ。星野は、一種の在野文化....
「地上」より 著者:島田清次郎
現に数学の哲学的根拠の意義について日本未曾有の論文を創作中であり、また彼は音楽の
能才で教会堂のピアノは大抵彼が演ずるのである。西洋史の教師のM氏は、まだ本当の文....