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能書
「能書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
能書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
す。産前、産後、婦人病|一切《いっさい》によろしい。――これは僕の友だちに聞いた
能書《のうが》きだがね、そいつがやり始めた缶詰だよ。」
田宮は唇を嘗《な》めま....
「金属人間」より 著者:海野十三
の弱点をつき、大宇宙の奥にひそめられたる謎をば、かつギリシャの科学詩人――」 「
能書が長いぞ」 「早くやれッ。演説を聞きにきたんじゃねえや。綱わたりをやらかせ」....
「大使館の始末機関」より 著者:海野十三
体は奈落へおちる。その奈落には、火薬炉が大きな口をあけて待っているのだ……」 「
能書はあとにして、金博士を骨にして見せて下され」 「いざ、いざ、これを見よや」 ....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
清衡存生の時、自在坊蓮光といへる僧に命じ、一切経書写の事を司らしむ。三千日が間、
能書の僧数百人を招請し、供養し、これを書写せしめしとなり。余もこの経を拝見せしに....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
て、よく出ますから。……唯今見ますけれど。」 女房は片膝立ちに腰を浮かしながら
能書をいう。 「……私も読みたい読みたいと存じながら、商売もので、つい慾張りまし....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
さ。私がね、小さい時、万はもう大きな身をして、良い処の息子の癖に、万金丹売のね、
能書を絵びらに刷ったのが貰いたいって、革鞄を持って、お供をして、嬉しがって、威張....
「中毒」より 著者:織田作之助
、食事のあとがどうとかいうようなことを考えている余裕はない。 私はかつて薬の効
能書に「食間服用」とあるのを、食事の最中に服用するものだと早合点して、食事中に薬....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
手伝いをしていた。面胞だらけの小汚ない醜男で、口は重く気は利かず、文学志望だけに
能書というほどではないが筆札だけは上手であったが、その外には才も働きもない朴念人....
「現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
るが、ともあれ松永さんのいう茶人の指導によりて優れた器が生まれ、初期茶人のような
能書も生まれ、芸術工芸の理解も正しくなる……との説が、過去の実例によってだんだん....
「古陶磁の価値」より 著者:北大路魯山人
てもやはり美術品であります。建造物でありましてもやはり美術品であります。それから
能書で、弘法大師の書がよいとか、小野道風の書がよいというのも、やはりこれも美術品....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
いことはないのである。譬えるまでもなく、仮に墨跡が分る具眼者であるとしても自己に
能書ありとはかぎらない。牧谿が分る、梁楷に合点がゆくとしても自己に描けるものでは....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
のである。自国語の他に、六カ国語を自由自在に操り、ギリシア学の学徒であり、一流の
能書家であり、優秀な音楽家であり、そして、絵画と詩との鑑識家でもあった。彼女はフ....
「近頃感じたこと」より 著者:小川未明
くなって、害虫として駆除しにかゝったのです。 草花屋から、買ってきた殺虫液の効
能書には、あり退治にもきくように記してあったが、なぜか、ありにはきくまいというよ....
「手風琴」より 著者:小川未明
な薬でも他の町からきている。そして、光ったりっぱな容器の中にはいって、ちゃんと効
能書きがついている。田舎だって、もうこうした売薬は、はやらないだろうと思いました....
「道は次第に狭し」より 著者:北大路魯山人
すると彼は、尾張の大根は美味いという先入観念があるから、これは美味いと自分だけの
能書つきで美味く食うのである。というのは、この種の手合いは概していずれもお国自慢....