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能狂言
「能狂言〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
能狂言の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
ず近習《きんじゅ》の者に話して、その旨を越中守の耳へ入れた。そこで、十五日に催す
能狂言《のうきょうげん》とか、登城の帰りに客に行くとか云う事は、見合せる事になっ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ですから余興はもとより付きもので、毎年判で押したように行なわれるものがまず第一に
能狂言、それから次はかくし芸、それらの余興物がことごとく、平生市民たちから、いわ....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
それよりも、さらに複雑で奇怪な物語であると思ってもらいたい。 僕の国では謡曲や
能狂言がむかしから流行する。したがって、謡曲や狂言の師匠もたくさんある。やはりそ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
寄って、安小間物屋、駄菓子屋、鮨屋、おでん屋、水菓子屋などの店が立つ。神楽は村の
能狂言、神官が家元で、村の器用な若者等が神楽師をする。無口で大兵の鉄さんが気軽に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》して、 「それでこそ、そうお聞きなさるも無理はない。清姫様というのはね、それ、
能狂言にある道成寺《どうじょうじ》……安珍清姫《あんちんきよひめ》というあの清姫....
「偽りのない文化を」より 著者:宮本百合子
木綿で裏には見事な染羽二重をつける服飾も、粋という名で町人の風俗となった。武家の
能狂言に対して、芝居が発達した。その大門をくぐれば、武士も町人も同等な男となって....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
蹴る、脇へずらせば踏もうとする。 「ちょッ。」 一樹の囁く処によれば、こうした
能狂言の客の不作法さは、場所にはよろうが、芝居にも、映画場にも、場末の寄席にも比....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。古代の雅楽《ががく》の如く、中世の幸若《こうわか》に似たところもあり、衣裳には
能狂言のままを用いたようでもある。 それに、不思議なのは、一人一役がみな独立し....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ございました。 そうそう風流な、優さしい遊びも少しはありました。それは主として
能狂言、猿楽などで、家来達の中にそれぞれその道の巧者なのが居りまして、私達も時々....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
わった時に、実隆が仰せによって古歌を認めて与えたこともある。これによって見ると、
能狂言の少ない点だけが朝廷の好尚の武家と異るところで、その他にいたってはほとんど....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
黒船の参りました時、憶えもござりましょうが、三田は、薩摩の御邸で、夜を徹しての、
能狂言、謡の声も、晴れ晴れと、鼓の音も、ぽんぽんと、それで、すっかり、附近の町家....
「日蔭の街」より 著者:松本泰
た。そこは寂として骨董品の展覧会のように、東洋の陶器類、支那、ジャバ、及び日本の
能狂言の面、瑪瑙《めのう》や翡翠《ひすい》でこしらえた花生の鉢、其の他さまざまの....
「花筐と岩倉村」より 著者:上村松園
姿でも、お夏と照日前の狂いにはかなりのへだたりがある。 もっとも、芝居の舞台と
能狂言の舞台という、異なった性質の舞台――という相違から来ているのであるが、能狂....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
ざる事を経験し、余は旧劇なるものは時代と隔離し出来得るかぎり昔のままに演ずれば、
能狂言《のうきょうげん》と並びて決して無価値のものに非らずと信ずるに至りしなり。....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
は前田氏百万石の城下町で、兼六公園で誰も親しんでいるところであります。ここはまた
能狂言と茶の湯の町と呼んでもよいかと思います。それほど人々に嗜まれているのであり....