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「能筆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

能筆の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
入れ札」より 著者:菊池寛
た中より忙しく一の紙片をよりだしながら)これを手前が書いたというのか。仲間の中で能筆の手前が、こんな金くぎの字を書くか。 弥助 ううむ。(狼狽する) 九郎助 こ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
》。 およそ、文字と筆にかかわりのあるところは、それぞれ菅公の徳をたたえ、その能筆にあやかろうという祈念から、筆子、門人、弟子《でし》一統残らずを招いて、盛大....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
宅地をよく掃除したが、病が起こってからは手が萎れて箒を執るにも不便であった。父は能筆で、お家流をよく書き、字体も婉麗なものであったが、病後は小さな字を書くことも....
足迹」より 著者:徳田秋声
の二階へ積み込まれることになった。 五十四 この家の格子先へ、叔父の能筆で書いた看板が掲けられたり、事務員募集の札が張られたりした。毎日寄って来る人....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
しな》みある公卿の多くは、勅命によって書写もしくは校合をやったのであるが、中にも能筆でかつ文字の造詣の深かった実隆は、他の公卿よりもいっそう頻繁にこの御用を仰せ....
山の神殺人」より 著者:坂口安吾
てあげるから」 書かせてみると、なるほど達筆、どこの姫君が書いたかと思うような能筆である。捜査はやり直しということになったが、被害者の身許は判明したし、証拠の....
能筆ジム”」より 著者:坂口安吾
ないかなぞと喰さがる編集者も現れるという有様だ。ところで今日は少し眼先を変えて“能筆ジム”と呼ぶニセ札造りを御紹介しよう。 ニセ札造り“能筆ジム”は本名をエマ....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
けいあん》をとおして雇われてきたのだ。お高は、女にしては珍しく、相当学問もあり、能筆でもあった。何よりも、美しい女である。年齢《とし》は二十四、五だ。このお高が....
書について」より 著者:高村光太郎
この頃は書道がひどく流行して来て、世の中に悪筆が横行している。なまじっか習った能筆風な無性格の書や、擬態の書や、逆にわざわざ稚拙をたくんだ、ずるいとぼけた書な....
近作鉢の会に一言」より 著者:北大路魯山人
つものでなければ名を成さないということです。乾山のように光琳にも優る絵画が描け、能筆であり、仁清とは又別風の日本趣味的デザインを創作し、胸のすくような作品を種々....
良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
をもって横行している時代にさえ、大徳寺には春屋禅師のような上品な、至純な、非凡的能筆が生まれており、江月和尚のように味と見識を兼備えた調子のいや高いものも存在し....