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能面のよう
「能面のよう〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
能面のようの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「播州平野」より 著者:宮本百合子
にもたげられた二分刈頭、閉じられた瞼。その卵型茶色の小心律気な老年に近い顔には、
能面のように凝固した表情があらわれた。唇は、その能面の上におかれた一本の短い色の....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
下で云われていた。 又斎田氏のは凝った、響の強いイキミ声で、謡っている顔付きが
能面のように恐ろしかった。 梅津利彦氏のは声が全く潰れた張りばっかりの一本調子....
「溺るるもの」より 著者:豊島与志雄
るきりで、額からなだらかな線の頬や※へかけて、一つの筋も皺もないただ真白な顔が、
能面のようにして空《くう》に懸っている。その面《めん》が、私の眼を鏡の底に見出す....
「白痴」より 著者:坂口安吾
家柄の然るべき娘のような品の良さで、眼の細々とうっとうしい、瓜実顔の古風の人形か
能面のような美しい顔立ちで、二人並べて眺めただけでは、美男美女、それも相当教養深....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
う。それから、新子さん、貴女とも、もう会う必要はありませんね。」 美沢の顔は、
能面のように、無表情であった。 「いいわ。結構よ。」美和子は、亢然と、それに答え....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
中興を経てついに再び廃頽堕落するに至った室町時代に及んで、その精粋が思いがけない
能面のようなものに移り、此所に又別途の新らしい美を創り出した事は奇観である。芸術....
「謡曲と画題」より 著者:上村松園
される格調の高いあの能楽の舞台面が多いのです。 表情の移らない無表情の人の顔を
能面のようなと言いますが、しかし、その無表情の能面といえども、一度名人の師がそれ....