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脂粉の香
「脂粉の香〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
脂粉の香の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
《ようか》咲き競う色町だけがものはあって、艶語《えんご》、弦歌、ゆらめくあかり、
脂粉の香に織り交ざりながら、さながらにまだ宵《よい》どきのごときさざめきをみせて....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
です。――だが、行きついたその吉原は、灯影に艶めかしい口説の花が咲いて、人の足、
脂粉の香り、見るからに浮き浮きと気も浮き立つような華やかさでした。 「九重さん」....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
交って纏繞せり、然れども気管喉頭部、及、頸動脈等も外部より損傷を認むる能わず。尚
脂粉の香ある新しき西洋手拭一本、屍体の前に置かれたる机の下に落在せるが、右は加害....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
美人はやっぱり好ましいものだ」 義哉はこんなことを想いながら、部屋に残っている
脂粉の香に、うっとりと心をときめかした。 思い出して三味線を取り上げると、さっ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
性にもなるだろう。また、脱がした良人の狩衣から、彼女のするどい嗅覚は、ちゃんと、
脂粉の香まで嗅ぎとっていた。で、若妻にありがちなすね方も当然だったが、彼女のばあ....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
は、その一軍団ごとに、部将の妻や娘もいたことと考えられる。 だから陣の幕舎に、
脂粉の香をもっていたのは、ひとり義仲だけではない。他の部将も、連れていたろうし、....
「増長天王」より 著者:吉川英治
いる。また一人の美女は久米一に煙草をつけて出し、また一人の美女が茶を運ぶ、それら
脂粉の香と絢爛な調度にとりまかれている陶工久米一は、左眼のつぶれた目っかちで、か....