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脂肪
「脂肪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
脂肪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
なりにそれぞれまた説が分れるのです。たとえばヴィタミンのないのは滋養がないとか、
脂肪のあるのは滋養があるとか、人参《にんじん》の味は駄目《だめ》だとか、大根の味....
「河童」より 著者:芥川竜之介
行ったのか、見えなくなったことを思い出しました。しかも河童は皮膚の下によほど厚い
脂肪を持っているとみえ、この地下の国の温度は比較的低いのにもかかわらず、(平均|....
「或る女」より 著者:有島武郎
から冬にかけてにょきにょきと延び上がった細々したからだには、春の精のような豊麗な
脂肪がしめやかにしみわたって行くのが目に見えた。葉子だけは春が来てもやせた。来る....
「星座」より 著者:有島武郎
ないが、争《あらそ》われないのは胸のあたりの暖かい肉づき、小鼻と生えぎわの滑かな
脂肪《しぼう》だった。そしてその顔にはちょっと見よりも堅実《けんじつ》な思慮分別....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
《ひめまつどの》がえ。」と耳を貫く。……称名《しょうみょう》の中から、じりじりと
脂肪《あぶら》の煮える響《ひびき》がして、腥《なまぐさ》いのが、むらむらと来た。....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
しい目鼻立ちの隈々には、心の中からわいて出る寛大な微笑の影が、自然に漂っていて、
脂肪気のない君の容貌をも暖かく見せていた。「なんという無類な完全な若者だろう。」....
「振動魔」より 著者:海野十三
ことのない牝豚夫人は、この数年来生理的な関係か、きめの細かい皮膚の下に更に蒼白い
脂肪層の何ミリかを増したようだった。夫人が急に顔を近付けると、彼女のふくよかな乳....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
ものならば、必ず君の目的のものを発見してあげるから安心するがいい。イヤどうも皮下
脂肪が発達しているので、メスを使うのに骨が折れる。こんなことなら電気メスを持って....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
された言葉つきである。 「お手本をも一度みんなに見せといて、それからやらせます」
脂肪づいた小富豪らしい身体に、小初と同じ都鳥の紋どころの水着を着て、貝原はすっか....
「金属人間」より 著者:海野十三
ぱった。 すると、おどろいたことに、皮は大きくむけていった。皮の下に、白い皮下
脂肪《ひかしぼう》や赤い筋肉があるかと思いのほか、そこには、ごていねいにも、もう....
「大脳手術」より 著者:海野十三
」 と、私は生返事をしただけで、やっぱり前と同じ動作を続けていた。近頃すっかり
脂肪のなくなったわが脛よ。すっかり瘠せてしまって、ふくらっ脛の太さなんか、威勢の....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
浄らかな顎の線を細い唇が締めくくり、その唇が少し前へ突き出している。足の上る度に
脂肪の足跡が見える中古の駒下駄でばたりばたり歩く。 かの女は断髪もウエーヴさえ....
「格さんと食慾」より 著者:芥川竜之介
ド・ビフのように料理するが好い。皿に載せた一片の肉はほんのりと赤い所どころに白い
脂肪を交えている。が、ちょっと裏返して見ると、鳥膚になった頬の皮はもじゃもじゃし....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
いた。さァ」 初夏でも夜は山中の冷え、炉には蚊燻しやら燈火代りやらに、松ヶ根の
脂肪の肥えた処を細かに割って、少しずつ燃してあった。 室内に目立つのは、幾筋も....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
平素留守番|許りさせられて居て、余り動く必要のない為めに肥ったとも思われるような
脂肪過多の老女中は玄関の扉を開けて顔を出した。彼女は度々景子を見知って居るのに英....