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「脅える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

脅えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
調べるんだ。そうして得体も知れない骸骨に接吻をさせるのだ」 「えゝっ」 静子は脅えるような眼で夫を見上げた。 「どんな事があっても、身に覚えのない事は白状しな....
死のなかの風景」より 著者:原民喜
と、夜の闇は冷え冷えと独《ひと》り悶《もだ》えているようだった。太古の闇のなかで脅える原始人の感覚が彼には分るような気がした。 だが、ある夜、壕を出て部屋に戻....
超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
ると、外でワンワンワンとブルドッグの吠える声と、自動車の中で女たちの悲鳴を揚げて脅える声が入り交って聞えて来た。ブルドッグという奴はいつでも気の利かない動物らし....
死者の書」より 著者:折口信夫
にのり移った霊が、あの長歌を謳うた、と申すのが伝え。 当麻語部媼は、南家の郎女の脅える様を想像しながら、物語って居たのかも知れぬ。唯さえ、この深夜、場所も場所で....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
の玉はどつちを見てるか見当がつかない、ナメクヂの往復で静々と必死多忙、全然お客は脅える余地がないどころか、金満家みたいにせきこんで、オイ早く、カストリ、なんて、....
南国太平記」より 著者:直木三十五
とした。だが、玄白斎の痩せた身体の力は、二人の手に余った。二人は、不思議な力に、脅えるような、気持になってきた。 「乳木が消える」 市助が、一人に、こう注意し....