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脆弱
「脆弱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
脆弱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
んならば常識がすぐそれを葉子にさせたに違いない。しかし今はもう葉子の神経は極度に
脆弱《ぜいじゃく》になって、あらぬ方向にばかりわれにもなく鋭く働くようになってい....
「地球を狙う者」より 著者:海野十三
げるならば、火星の気圧は地球のそれに比べてはなはだ低いので、おそらく彼等の体躯の
脆弱さは、とても地球上の生存に適しないであろう。これはあたかも、人間が数百貫の大....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
を擲げることは、どの若い女にも出来るという絶対の芸当ではないのだ。それとも君は、
脆弱い女性にあの砲丸を相手の肩へ投げつけることが出来る場合を想像できるかネ」 「....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
ている。――一つは大洪水のような司法の力、一つは硝子で作った羽毛のようにまことに
脆弱な魂――その二つの間に挿まれた彼、青竜王の心境は実に辛かった。 ――なんと....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
であろうか。当時貞雄さんはまだ五六歳の幼童で膝までしかない鶯色のセルの着物を着た
脆弱そうな少年だった。彼はいつも寒そうに、両手を腋の下から着物の中にさし入れて、....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
出したので、あとはとりやめとする。 ひびの入った硝子器のように、全くなさけない
脆弱な躰である。 どうして血痰が出るのか。患部に血管が露出していて、それから出....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ろが、そのボネーベ式の拱貫が低く垂れ、暗く圧し迫るような建物が、たちまち破瓜期の
脆弱な神経を蝕んでいったのだ。最初は、建物の内外に光度の差がはなはだしいことが、....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
ら》バレタル霊魂ノ持主ハ、不運デモアッタガ、又、捉《とら》エラレルニ適シタホドノ
脆弱性《ぜいじゃくせい》ト不安定トヲ持ッテイタ気ノ毒ナ人デアッタ。ソウイウ種類ノ....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
けのものさ。――尖鋭な鏨様のものが兇器らしいが、それも強打したのではなく、割合|
脆弱な縫合部を狙って、錐揉み状に押し込んだと云うだけだ。所が見た通り、それが即死....
「堕落論」より 著者:坂口安吾
だろう。なぜなら人間の心は苦難に対して鋼鉄の如くでは有り得ない。人間は可憐であり
脆弱であり、それ故愚かなものであるが、堕ちぬくためには弱すぎる。人間は結局処女を....
「まかないの棒」より 著者:黒島伝治
こぶ立っていた。肩幅も広かった。きかぬ気で敏捷だった。そして、如何にも子供らしい
脆弱な京一は仕事の上で留吉と比較にならなかった。 京一は、第一、醸造場のいろい....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
ことは、まず国民全体がだまされたということの意味を本当に理解し、だまされるような
脆弱な自分というものを解剖し、分析し、徹底的に自己を改造する努力を始めることであ....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
いていてくれるこたあねえ、これが同一でも、おばさんに雪責にされて死んだとでもいう
脆弱い遊女のなら、五助も男だ。こうまでは驚かねえが、旗本のお嬢さんで、手が利いて....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
ますから、いかに吉田内閣が独立日本の要望にこたえ得ず、その立っている基盤がいかに
脆弱であるかということを示す証左であると思うのであります。以下、不信任案に対する....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
武力の靭強性 2 国民性および将帥の性格 攻撃威力が強い、逆に防禦の能力の
脆弱な戦闘、換言すれば勝敗の早くつく戦闘では自然第一線決戦主義が採用せらる。例え....