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脇本陣
「脇本陣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
脇本陣の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て駅へはいったが、やがて又引っ返して来て、今夜は本陣にふた組の大名が泊っている。
脇本陣にも一と組とまっている。そんな混雑の宿へ泊るよりも普通の旅籠屋へ泊った方が....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
あり、材木を積んだ納屋もある。が、荒れた厩のようになって、落葉に埋もれた、一帯、
脇本陣とでも言いそうな旧家が、いつか世が成金とか言った時代の景気につれて、桑も蚕....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
に一国な事を申すようですが、私は一体斯ういう正直な性質で、私どもはこれ本陣だとか
脇本陣だとか名の有る宿屋ではございませんで、ほんの木賃宿の毛の生えた半旅籠同様で....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
炉裏ばたにかしこまって、主人らのしたくのできるのを待った。寿平次は留守中のことを
脇本陣の扇屋の主人、得右衛門に頼んで置いて、柿色の地に黒羅紗の襟のついた合羽を身....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
は初めてです。」 そう半蔵が言って見せると、伊之助は声を潜めて、 「半蔵さん、
脇本陣の桝田屋へ来て休んで行った別当はなんと言ったと思います。御召馬とはなんだ。....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
も寿平次方ではわずかに類焼をまぬかれたばかりで、火は本陣の会所まで迫ったという。
脇本陣の得右衛門方は、と見ると、これは大火のために会所の門を失った。半蔵が福島の....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
日まであくせくとした月日を送って来たことを正香に語った。木曾福島の廃関に。本陣、
脇本陣、問屋、庄屋、組頭の廃止に。一切の宿場の改変に。引きつづく木曾谷の山林事件....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
氏の用意のほどもあることでしょう。 かくて不破の関守氏は、お銀様を、本陣へも、
脇本陣へも、自分もろともに送り込むことをせずに、いつ、何によって、ドコへついたと....
「雪の上の足跡」より 著者:堀辰雄
いに昔話なぞが少ないのではないかね。維新前までは茶屋|旅籠《はたご》がたてこみ、
脇本陣だけでも遊女が百人からいたという、名高い宿《しゅく》のあとだもの。その日そ....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
崎の探題とかであった訳もあろう。 大名の泊る宿は本陣と称したが、それに次いで『
脇本陣』というのがあった。家老あたりの身分のよい者は本陣か
脇本陣で泊った。大名の....
「木の十字架」より 著者:堀辰雄
。――文中の去年の秋の出来事というのは、私や立原なんぞが一しょに暮していた追分の
脇本陣《わきほんじん》(油屋)が火事になって二人とも着のみ着のままに焼け出された....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
あげている時、山田奉行手付の小者が通りかかって引き立てようとすると、ちょうど前の
脇本陣茶碗屋の店頭から突っかけ下駄の若い娘が声をかけて出て来た。
わき本陣の....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
足屋という宿屋のことを話したことがあったかな?」
「はい。伺いましてございます。
脇本陣《わきほんじん》とやらで、たいそうお立派な御普請でございます。いつぞやも絵....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
早春で枯草の中にぺんぺん草の花が咲いていましたよ。古い旅籠屋では油屋という、元は
脇本陣だったそうですが、以前のままの大きな古い建築で、軒下には青い獅子頭などが突....