脈がある[語句情報] » 脈がある

「脈がある〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

脈があるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
にも、まだまだある。熱河から陜西、甘粛、四川、雲南を経てビルマに至るアジアの大油脈があることは確実らしく、蘭印の石油はその末端と言われる。現に熱河には石油が発見....
正義と微笑」より 著者:太宰治
いや本当さ。」兄さんは真面目である。「ふつうの玄関払いとは性質が、ちがうようだ。脈があるよ。お仕事中は面会謝絶と極っているんだけど、特にお前のために、どうにかし....
縮図」より 著者:徳田秋声
どこも助かると言うもののない中に、病人の肌襦袢に祈祷を献げてもらった柴又だけが、脈があることを明言したのだった。しかしその一縷の望みも絶え、今はその死を安からし....
暗号音盤事件」より 著者:海野十三
りかえした。あわて者は、肝腎の宝物に手をふれても、それと気がつかないだろう。まだ脈があるにちがいないと、私は合点のいくまで調べる決心をした。 私は、蓄音機をか....
火星兵団」より 著者:海野十三
をみはったが、やがてにやりと笑い、 「ふふん、そういう気になっているんなら、まだ脈があるというものだ。だが、今さらわしが話をしてやっても、君たちに、どこまで、わ....
王成」より 著者:田中貢太郎
「今だ。」 二人は一緒に登っていった。王は王成の手にした鶉を見て、 「眼に怒脈があるな、これは強い鳥だ。弱い鳥ではいけない。鉄口を持って来い。」 といいつ....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
暮しで、哲学者といふところから富子に物をきかれたり本を貸したりするうちに、これは脈があるなと思ふと、こゝをせんどゝ食ひ下つて口説きはじめた。 彼は人間観察家な....
発掘した美女」より 著者:坂口安吾
る意志がなきにしも非ずですね」 「八|分二分ぐらいね。二分の方よ」 「それじゃア脈があるよ。ボクらは一分、むしろ零コンマ一分ですらも、脈のある方に数えるからな。....
握った手」より 著者:坂口安吾
ら、本心って言葉は無理みたいね。いまの心。いまだけよ」 落第すれば、まだ当分は脈があるらしい様子でもあった。松夫はもう二度と誰とも恋ができないような予感がして....
投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
こんな電話があったが、大鹿問題に関係があるんじゃないかというと、大有りだ、これで脈があると云って、とびだしましたよ。停車場で、二人をつかまえて、話し合えば、なん....
次郎物語」より 著者:下村湖人
た奴がいたぜ。」 「あんなのが一番下劣だね。真正面からぶっつかって来る奴は、まだ脈があるんだが……」 「しかし、大沢君が、おしまいに、大の字なりに寝ころんで、下....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
かおうとする宝庫探検の目的とこの唄の文句に含まれている一つの暗示的の意味との間に脈があるとは思わないかね? ……」 すると、その時まで博士の横に黙って立ってい....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
るようでは文人の縁が切れない。絶句する処が頼もしいので、この塩梅ではマダ実業家の脈がある、」と呵然として笑った。 汽車の時間を計って出たにかかわらず、月に浮か....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
の一振であったらしく、両優ともに予想以上に活躍して、これではまだ当分は舞台上の命脈があるらしいというのが一般の評判で、好劇家もやや意を強くしたのであった。無論に....
澪標」より 著者:外村繁
し、朝の空を埋めることがある。俗に「よび蝶」と呼ばれている。翅は透き通り、黒い翅脈がある。触角は櫛型で、漆黒である。いかにも弱弱しいが、少年の私は、魔法使の中か....