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脈動
「脈動〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
脈動の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「映画時代」より 著者:寺田寅彦
だい》であった。しかしあのろうそくの炎の不定なゆらぎはあらゆるものの陰影に生きた
脈動を与えるので、このグロテスクな影人形の舞踊にはいっそう幻想的な雰囲気《ふんい....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
はこれによって変光星の光の周期的変化を説明しようとした。しかし、思うに、かような
脈動は輻射放出の結果として多分急速に阻止されてしまうであろう。のみならず、かよう....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
仄かな光に生動が刻まれていく。と云うのは、所々に動いている長い短冊振子が、絶えず
脈動のような明滅を繰り返しているからであった。この墓窖のような陰々たる空気の中で....
「歌集『集団行進』に寄せて」より 著者:宮本百合子
。情景のまざまざととらえられ感情化されている作品として、「橋梁架設工事」「生活の
脈動」「町工場」「シベッチャの山峡」「下水工事場」「三河島町風景」「無題」などの....
「「愛と死」」より 著者:宮本百合子
を生きている読者たちにとって、『白樺』の頃武者小路氏の文学が周囲につたえた新しい
脈動とはおのずから性質の違った親愛、わかりよさに通じるようなものとして受けいれら....
「幸福の感覚」より 著者:宮本百合子
がはっきりそのひとの精神に統率されているときには、そこに一つの美としての幸福感が
脈動していることもあり得ることを示しているのである。 幸福感というものの高い質....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
普遍妥当性は之に外ならない)。――だが茲で吾々は本道へ帰ろう。 結局に於て生の
脈動に興奮している意識哲学は、生命の・意識の・明白性の内にこそ、事実の事実に限ら....
「あとがき(『明日への精神』)」より 著者:宮本百合子
のなかに響いていて、その自然な響きが又ほかのいくつかの胸の裡に活々とした生活への
脈動をめざまさしてゆくことが出来るとしたら、ほんとうに歓ばしいと思う。 昭和十五年九月 〔一九四〇年九月〕....
「厄年と etc.」より 著者:寺田寅彦
。すべての有限な統計的材料に免れ難い偶然的の偏倚のために曲線は例のように不規則な
脈動的な波を描いている。しかし不幸にして特に四十二歳の前後に跨がった著しい突起を....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
に満ちみちて、柱も、畳も、机も、物すべてが、はッはッと荒い呼吸をしているようだ。
脈動にうつる、ほんの一瞬前の静止。
来る気だな!――と門之丞が思った時。
グ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
りのような一つ一つの諧調を浮かせつつ流れるものは、耳を傾けつくして、なおつきない
脈動のつよい流れです。そこには人間の理智の明るさが透っていて、明確であることから....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ズムに響きをつたえずにいないものをもっている。深い奥行のなかに、生きているもの、
脈動しているもの、人間の行動の真の動機ともなっているもの、そういうあらゆる生々し....
「断片(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
波を打つように大きくせわしなく動いている。堪え難い苦痛があの大きな肉体の中一体に
脈動しているように思われるが、物を云う事の出来ない馬は黙ってただ口を動かし唇をふ....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
い人、その人の考える事、言う事、為す事、つまりその人の命が、宇宙の生命と連がって
脈動しているような人、その人に抱かれる時私の疲れて崩れかけて居る魂が生き生きと甦....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
。すなわち、心の流れによって人間の心理が一歩一歩おし進められて行き、呼吸と血液の
脈動とによって肉体が新陳代謝を行い、両々相俟って自己の生存を遂げて行くところのこ....