»
脊
「脊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
脊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
股の一ダースを入れた箱を一つずつ持って、部屋部屋を回って歩く。ジプシーのような、
脊の低い区役所の吏員が、帳面と引合わせて、一人一人罹災民諸君を呼び出すのを、僕た....
「或る女」より 著者:有島武郎
れると、そのほうに素早《すばや》く目を転じたが、その物すごい不気味《ぶきみ》さに
脊髄《せきずい》まで襲われたふうで、顔色をかえて目をたじろがした。
「岡さん。わ....
「僕の帽子のお話」より 著者:有島武郎
た。泣くような声もしました。いよいよ狸の親方が来たのかなと思うと、僕は恐ろしさに
脊骨がぎゅっと縮み上がりました。
ふと僕の眼の前に僕のおとうさんとおかあさんと....
「溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
の深さの所まで行って見ました。そうすると紆波《うねり》が来る度《たび》ごとにＭは
脊延《せの》びをしなければならないほどでした。それがまた面白そうなので私たちも段....
「星座」より 著者:有島武郎
の学生たちも今だに心おきなく遊びに来たりするのだった。
父はおぬいの十二の時に
脊髄結核《せきずいけっかく》にかかって、しまいには半身｜不随《ふずい》になったの....
「碁石を呑んだ八っちゃん」より 著者:有島武郎
んだ。僕は黙ったままで婆やを睨みつけてやった。 婆やはわあわあ泣く八っちゃんの
脊中を、抱いたまま平手でそっとたたきながら、八っちゃんをなだめたり、僕に何んだか....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
である。 そこへ……小路の奥の、森の覆った中から、葉をざわざわと鳴らすばかり、
脊の高い、色の真白な、大柄な婦が、横町の湯の帰途と見える、……化粧道具と、手拭を....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
投げて死にたいような、……何んとも言いようのない心持になったのですえ。」 と、
脊筋を曲って、肩を入れる。 「お方、お方。」 と急込んで、訳もない事に不機嫌な....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
それをその少い貴婦人てった高島田のが、片手に控えて縋っています……もう笠は外して
脊へ掛けて……絞の紅いのがね、松明が揺れる度に、雪に薄紫に颯と冴えながら、螺旋の....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
も関係はない。勿論揃って男で、変な人で、三人である。 並んだ、その真中のが一番
脊が高い。だから偉大なる掌の、親指と、小指を隠して、三本に箔を塗り、彩色したよう....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
を曲げてさ。 天窓でものを見るてッたように、白髪を振って、ふッふッと息をして、
脊の低いのが、そうやって、胸を折ったから、そこらを這うようにして店へ来るじゃあり....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
幾年かに跨る賊徒征伐の軍の旅路に、さながら影の形に伴う如く、ただの一｜日として
脊の君のお側を離れなかった弟橘姫の涙ぐましい犠牲の生活は、実にその時を境界として....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
、どこと云うことなしに歩いて行った。するとロッビイへ出る隅に緑いろの笠をかけた、
脊の高いスタンドの電燈が一つ硝子戸に鮮かに映っていた。それは何か僕の心に平和な感....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
来たような気持になりました。 その山はアンデズ山でありました。アメリカの大陸の
脊骨をつくっている山でした。空気もだんだんあたたかになってきました。そして所々に....
「活人形」より 著者:泉鏡花
な御婦人だね。「ちと気が狂れて血相変り、取乱してはいるけれど、すらっとして中肉中
脊、戦慄とするほど美い女さ。と空嘯いて毛脛の蚊をびしゃりと叩く憎体面。かくてはい....