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脚夫
「脚夫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
脚夫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ら、手紙がかなり多数届いていました。郵便局の前を通るにつけ、郵便箱を見るにつけ、
脚夫《きゃくふ》に行きあうにつけ、僕はあなたを連想しない事はありません。自分の机....
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
そんなに零落《おちぶれ》たものか私には解らない。何しろ私の知っている益さんは郵便
脚夫であった。益さんの弟の庄さんも、家《うち》を潰《つぶ》して私の所へ転《ころ》....
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
っていると、黒い桐油《とうゆ》を着て饅頭笠《まんじゅうがさ》を被《かぶ》った郵便
脚夫が門から這入って来た。不思議な事にこの郵便屋が鉄瓶《てつびん》を提《さ》げて....
「賭博の負債」より 著者:田中貢太郎
したいと言ってもらいたい、そうすると、私の苦痛もなくなる、私はもと宣城の生れで、
脚夫をしていた関係で、死んでからも死人の籍を運送することを言いつかっている」 ....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
、時々絵葉書で状況を報じた。英語がむずかしかったことなどをも知らせて来た。郵便|
脚夫は毎日雨にぬれて山門から本堂にやって来る。若い心にはどのようなことでもおもし....
「蒲団」より 著者:田山花袋
を想像した。四面山で囲まれた小さな田舎町、その中央にある大きな白壁造、そこに郵便
脚夫が配達すると、店に居た男がそれを奥へ持って行く。丈の高い、髯のある主人がそれ....
「野道」より 著者:幸田露伴
野道 幸田露伴 流鶯啼破す一簾の春。書斎に籠っていても春は分明に人の心の扉を排いて入込むほどになった。 郵便
脚夫にも燕や蝶に春の来ると同じく春は来たのであろう。郵便という声も陽気に軽やかに....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
キシにでも乗ったらいいじゃないかと思うだろうが、いくら私が酔狂だってこうして郵便
脚夫みたいに歩きたかないけれど、それがそうは往かないと言うわけは、じつは、身をも....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
牛乳に蜂蜜を落して飲み、私は、また、彼女の雑談の続きを食べた。 配達に来た郵便
脚夫を見て、彼女は、私に私語した。 『あの男が、私を尾行しているのです。』と。 ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
」と、自費出版の未亡人は詩人と、街路掃除夫は社会改良家と、踊り子は舞踏家と、郵便
脚夫は官吏と、機関手は運輸業と、給仕は会社員と、売笑婦は「独立生計」と、めいめい....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ある。」フィスピエールの家に行くと、弾薬と武器とがあった。有名なある首領らは郵便
脚夫をやっていた、すなわち人を呼び集めるために方々の家に走り回っていた。トローヌ....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
じゃが! 男一 せ、せ、戦争だと! 戦争になっかね? 男二 なるて! 先刻、郵便
脚夫から聞いたが、県の方でも何百人という巡羅や刑事ば繰出したそうな! 男一 こ、....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
ろを振向きて思わず門の外を眺むるに門外より入《い》り来《きた》れるはこの村の郵便
脚夫、背戸《せど》の方へ廻らんとするをお代がドタドタと庭口より走り出で「何処《ど....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
じゃが! 男一 せ、せ、戦争だと! 戦争になっかね? 男二 なるて! 先刻、郵便
脚夫から聞いたが、県の方でも何百人という巡羅や刑事ば繰出したそうな! 男一 こ、....
「母の手毬歌」より 著者:柳田国男
街道を走り通さねばならなかった。明治の御代になってもややしばらくのあいだは、郵便
脚夫という者が、これも棒の片はしに荷をゆわえつけて走っていたほかに、東北地方の市....