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脚部
「脚部〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
脚部の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
少しも襲って来なかった。重石《おもし》をつり下げたような腰部の鈍痛ばかりでなく、
脚部は抜けるようにだるく冷え、肩は動かすたびごとにめりめり音がするかと思うほど固....
「蠅男」より 著者:海野十三
ものらしく、胸部や腹部は、もう完全に焼けて、骨と灰とになり、ずっと上の方にあった
脚部が、半焼けの状態で、そのまま上から摺り落ちてきたのだった。 男か女か、老人....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
しかにそれです。病気という災難を逃れる妙法は、まさしく病気になりきってしまうで、
脚部を負傷したのです。どうしても手術をしなくてはならぬようになって、いよいよ入院....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
うもない」 母親の声は涙に曇った。 弥勒に俸給を取りに行った翌日あたりから、
脚部大腿部にかけておびただしく腫気が出た。足も今までの足とは思えぬほどに甲がふく....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
わぬ、いかさまをせぬ。それから彼は作代に妻をもたせて一家を立てゝやったり、義弟が
脚部に負傷したりすると、荷車にのせて自身|挽いて一里余の道を何十度も医者へ通った....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
ぶ声。同時に走せ来る足音。 たちまち武男は手ありてわれをもたぐるを覚えつ。手の
脚部に触るるとともに、限りなき苦痛は脳頂に響いて、思わず「あ」と叫びつつのけぞり....
「化け物の進化」より 著者:寺田寅彦
理学者には少しふに落ちない。たとえかなり真空になってもゴム球か膀胱か何かのように
脚部の破裂する事はありそうもない。これは明らかに強風のために途上の木竹片あるいは....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
が降りかかるのである。 谷が蹙まるに随って、両崖の山は、互い違いに裾を引いて、
脚部を水にひたしている、水はその爪先を綺麗に洗って流れて行く、ノキシノブの、べっ....
「地図にない街」より 著者:橋本五郎
った。また時には、それ等の足と足の間をとおして、通りの向こうの、立ち並んだ家々の
脚部が見えた。人を満載して行くらしい電車の車輪が見えた。そしてその足や車輪や家並....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
と天才と革命よ、このろんどんを見捨てよ! 街上、よく見かけるもの。 松葉杖。
脚部に故障のある人――片足長い、あるいは短い――等。ひげの生えた女。肥った老婆。....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
トントントントントン! と続けざまに、娘の首、わきの下、両うで、躯幹《からだ》、
脚部と上から下へ順々に板に刺したって、それがすべて肉体とはすはす、一分の隙に娘を....
「病中記」より 著者:寺田寅彦
に控えていた。 柔らかい毛布にくるまって上には志んの持って来た着物をかけられ、
脚部には湯婆が温かくていい気持になってほとんど何も考えないでウトウトしていたが眠....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
、よく私の所に試合を申込まれた。私はエレファンというあだ名を付けられた。それは下
脚部が太くて、柔道の時胴締めが強く効くのと、平和なようで案外獰猛だという意味合い....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
をおこしていたが、四十一年の正月匆々|壊疽《えそ》になり、正蔵を写了すると同時に
脚部の切断手術をした。なにからなにまで請願どおり運行する仏生の微妙さにいまさらの....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
「おらあ脚を持つ」 「こん畜生! 脚はおいらが先約だ」 どういう量見か、みんな
脚部《あし》のほうを受け持ちたがってがやがやいっている。こうして、文字どおりかつ....