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脱け出る
「脱け出る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
脱け出るの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
。縦しや秘密の場所へ隠すにしても、是では遙かに犬猫に劣る仕向だから、若し余が茲を
脱け出る事が出来れば必ず此の者を連れて出よう、夫が出来ずば此の者と共に留まり自分....
「旅愁」より 著者:横光利一
、辷って行く車の方向に多忙な犇めく混雑を感じさせたが、間もなくそれも、トンネルを
脱け出る空を見る思いで、次第に明るく展けてゆくのだった。
箱根をぬけ沼津へかか....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
たようやくのことで借り埋めて、十二月十一日の晩ひそかに家を脱け出た。 二 家を
脱け出ることにはもう馴れ切っている。しかしそれも、尾行をまいて出ることがすぐ知れ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ものに思われるでございましょうが、私どもから観れば、それは一|疋の蛾が繭を破って
脱け出るのにも類した、格別不思議とも無気味とも思われない、自然の現象に過ぎませぬ....
「哲学入門」より 著者:三木清
具えた人間である。行為は意識の内部におけることでなく、行為するとは却って意識から
脱け出ることであり、我々が意識から
脱け出るのは身体に依ってである。行為するとは身....
「挿頭花」より 著者:津村信夫
云つて、危ぶなくその名を口にしようとした。すると、少女は、まるで現在からするりと
脱け出るやうな素振りをした。その後は、私の夢のなかでも一片の雲の陰影が射したやう....
「城」より 著者:カフカフランツ
たちに対するあなたもご存じのあの軽蔑が始ったのでした。わたしたちが手紙の事件から
脱け出る力をもっていないことに、人びとは気づいたのでした。そして、そのことでわた....
「上海」より 著者:横光利一
険は刻々に迫るばかりであった。彼は一人の兵士の胴を一度くるりと廻ると、木柵の中を
脱け出るようにそのまま裏へ飛び抜けてまた馳けた。橋があった。甲谷は橋の上で振り返....