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「脱する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

脱するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
、成し得ることは成すことである。畢竟《ひっきょう》我々の生活はこういう循環論法を脱することはできない。――すなわち不合理に終始している。 × ....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
為には大義の仮面を用いなければならぬ。しかし一度用いたが最後、大義の仮面は永久に脱することを得ないものである。もし又強いて脱そうとすれば、如何なる政治的天才も忽....
私の父と母」より 著者:有島武郎
柢をなしているものはやはり朱子学派の儒学《じゅがく》であって、その影響からは終生脱することができなかった。しかしどこか独自なところがあって、平生の話の中にも、そ....
予報省告示」より 著者:海野十三
資料不足のため推定しがたい。 人暦一万八百年 地球は今や第五氷河期の惨禍より脱するに至った。 気候は殆んど正常に復した。 氷は北緯五十度まで、及び南緯五....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
す。第一次欧州戦争の結果、全く行き詰まってしまったドイツでは、何ぴともあの苦境を脱する着想が考えられなかったときに、彼はベルサイユ条約を打倒して必ず民族の復興を....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
右翼|竜山師団は一時苦戦に陥りたるも、左翼|仙台師団の急遽救援砲撃により、危機を脱することを得たり。終り」 「労農軍は、いよいよ味なことを、やりよるのう」司令官....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
ては、ただ形式的の会釈を感ずるのみである。現代人は、技術に没頭して、おのれの域を脱することはまれである。竜門の琴を、なんのかいもなくかき鳴らそうとした楽人のごと....
怪星ガン」より 著者:海野十三
り強くかけると相手が気をわるくする。ことにギンネコ号をおこらせ、現場から遠くへ離脱するこうじつを相手にあたえてはこっちの大損であるから、電波でギンネコ号をさぐる....
時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
上を、何者かが歩いているのを見たことがある。八木君は、そこからなんとかして死地を脱する道を発見したいものだと考えた。 はたして、それはうまくいくであろうか。 ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
きては何事も知らない。むろん、素直に真理を受け入れ、片々なる疑心暗鬼の煩いから超脱する事は甚だ尊い。それは神心の現れで必ずや天使の守護に浴し得る。が、われ等は断....
「別居」について」より 著者:伊藤野枝
肉体に対する執着等によって、なお今まで通りの関係を続けようとする、その醜い感情を脱する事の出来ない自分を嘲りながら、それに引きずられて、どうすることも出来ないと....
迷信解」より 著者:井上円了
になりて教育も普及し、学問も進歩し、堂々たる文明国と称しおるに、なおかかる迷信を脱することができぬとは、実に国民の恥辱と申さねばならぬ。 加持祈祷は、多く病気....
二葉亭四迷」より 著者:内田魯庵
二葉亭は能く外国思想に熟していたが、同時にやはり幼時から染込んだ東洋思想を全く擺脱する事が出来ないで、この相背馳した二つの思想の※着が常に頭脳に絶えなかったであ....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
と定め、金曜日の晩と土曜日の朝とに礼拝式を行うと、第四に、堂内に入るものは帽子を脱することを禁ずると、第五に、男女その席を異にする等なり。 欧州今日のヤソ教は....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ら、専制的支配を必要とする傭兵であったため、十八世紀中には遂にこの横隊戦術から蝉脱する事が出来なかった。 主将は戦役(戦役とは戦争中の一時期で通常一カ年を指す....