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「脱却〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

脱却の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼 第二」より 著者:芥川竜之介
食する上にはある英字新聞の記者を勤《つと》めているのだった。僕はどう云う芸術家も脱却《だっきゃく》出来ない「店《みせ》」を考え、努《つと》めて話を明るくしようと....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
も恋愛を感ずるが早いか、一生懸命に抒情詩《じょじょうし》を作り、深入りしない前に脱却した。しかしこれは必しも道徳的にわたしの進歩したのではない。唯ちょっと肚《は....
出世」より 著者:菊池寛
火鉢にぶつりともいわずに、くすんだ顔をして向い合っているに違いない。あの生活から脱却する機会は死ぬまで彼らには来ないのだと譲吉は思った。あの図書館へ来る幾百幾千....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
家があって、それらは前述のエジプトの創世伝説に現われたような原始的な立場をとうに脱却していたであろうと考えられる。しかし彼らはこの知識を厳重にただ自分らの階級の....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
歩すべき唯一の望みは、ただ悔悟と、高級霊の指導と、又一歩一歩に、罪深き悪習慣から脱却すべき永遠の努力とより以外には絶対にない。そう言った未発達の霊魂の数は実に多....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
歌を宿命的に抒情詩とした。だから、抒情詩として作られたものでなくとも、抒情気分を脱却することが出来ないのである。此例からも叙景・抒情融合の姿の説明はつく。性霊を....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
来る様に見える。上野家や川崎家のでは、今も言った来迎の山を「二上」型に描く習慣が脱却出来ず、而も何の為に、其ほどに約束を守らねばならぬか訣らずなった為に、聖衆降....
明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
もとかくドイツ哲学のみによって、あまりにそれに呑まれ過ごしてその範囲からとうてい脱却し能わざるような状態となっている。いいかえてみれば、ドイツ哲学に拘泥し、また....
審判」より 著者:カフカフランツ
事務局に帰って、次の日には、まさしく昨日とは反対のことを含み、彼らがもうすっかり脱却したと主張した最初の見解よりは被告にとっておそらくずっときびしいような裁判上....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
じ難し。 壮遊心未。 (意気ごんだ旅ではあるが、心はまだ暑さ寒さのわずらわしさを脱却できず、ましてや明月に出会うごとに家郷を思う。秋風の吹く今宵もだんらんの座を....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
家は事実後半生には殆ど歌は作っていないし、わずか作っている歌も、前半生の歌風から脱却することは出来なかったのだから、作家としての定家を考える限り、前半期の定家へ....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
自立はありません。日本が完全なる自主独立の国家として生きるためには、対米依存から脱却しなければなりません。日本が本来一つであるべきアジアと完全に一致せずアメリカ....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
る。……私の音楽の意味をつかみ得た人は、他の人々がひきずっているあらゆる悲惨から脱却するに相違ない。 (一八一〇年、ベッティーナに) ※ 神性へ近....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
らに高い啓示である。一度私の音楽を理解した者は、他の人々がひきずっている不幸から脱却するに違いない!……」(〔Wenn sie sich versta:ndli....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
経済力が極めて貧弱で、重要産業はほとんど英米依存の現状に在った日本は、至急これを脱却して自給自足経済の基礎を確立することが第一の急務なるを痛感し、外交・内政の総....