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「脱帽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

脱帽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
あるのだな、これは御挨拶を申さずばなるまい」と、そこで髯将軍は恭《うやうや》しく脱帽三拝し、出鱈目《でたらめ》の祭文《さいもん》を真面目|臭《くさ》って読み上げ....
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
供が駆《か》け寄って来て、珍らしそうに車を覗《のぞ》き込んだ。車と行き逢った時、脱帽して過ぎた人もあった。 寺では読経《どきょう》も焼香も形式通り済んだ。千代....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
屍官はやがて眼をあげて宣告した。 「それではふたたび審問を開きます」 人びとは脱帽した。証人は宣誓した。 「あなたの名は……」と、検屍官は訊いた。 「ウィリア....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
コングレス柱の下。一九二二年十一月十一日以来、昼夜とろとろと燃えつづけている火。脱帽。 ヴェルツ美術館――ドュ・ヴォウティア街。アントニイ・ヴェルツ――一八〇....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
モウルの手に剣がきらめいたと思ったら、湿った音を立てて「赤い小山」が横に倒れた。脱帽したベルモントが、円形スタンドの全方面へまんべんなく挨拶してるのが見える。 ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
平べったい中欧山岳地方の女地主と、星条旗とフウヴァの Talkie にだけは必ず脱帽する亜米利加無政府主義の青年紳士とが挟まっているので、私はしばらく手の千法と....
ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
daselbst 7. Juli 1840. と刻してあった。僕はその前で一寸脱帽し、それからその儘ゆうべのように流に沿うて歩いて行った。 しばらくすると森....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
しら」 「ご存じならば、お分かりになりましょう」と、一人の男が他に代って、丁寧に脱帽して答えた。そうして、脂布のはしをあげて、「まだ顔はちっとも変わっていません....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
々に上りはじめた。いかにも痛ましいまた壮大な光景であって、周囲の人々は叫んだ、「脱帽!」一段一段と上りゆく彼の姿は、恐ろしいありさまだった。その白い頭髪、老衰し....
握った手」より 著者:坂口安吾
ほど絶望的なものはなかったのである。 松夫は水木由子に追いついて、よびとめた。脱帽すると、彼の頭も額も汗でいっぱいで、それは益々無際限に溢れたって湯気をふいた....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
という。外人は得意になって、駕籠《かご》のそばに来たり鞍《くら》を見せんと下馬し脱帽して挨拶《あいさつ》した。そのとき通訳官は、 「この外人はまことに恐れ入った....
人間山中貞雄」より 著者:伊丹万作
平安神宮の広場は暑かつた。紙の旗を一本ずつ持つた我々は脱帽してそこに整列していた。日光は照りつけ汗がワイシャツの下からにきにきと湧いた....
支那の思出」より 著者:国枝史郎
マジマジと見ていたが、急に捧銃をして敬意を表してくれた。 私は吃驚りしながらも脱帽して守衛に礼を返した。 (何うしたことだろう?)と私は道々考えた、が、 (こ....
かもめ」より 著者:神西清
邪を引きますよ。 アルカージナ それはね、ドクトルが、永遠の物質の父なる悪魔に、脱帽なすったのさ。 トレープレフ (カッとなって、大声で)芝居はやめだ! 沢山だ....
地球の円い話」より 著者:中谷宇吉郎
のである。本当の意味で有効数字が六桁も並んでいる測定があったら、その数字には正に脱帽して接すべきである。 以上は測定値の本当の正しさ、即ち絶対値の精度のことを....