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脱捨て
「脱捨て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
脱捨ての前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旧主人」より 著者:島崎藤村
の気無しに唐紙の傍に立って、御部屋を覗きながら聞耳を立てました。旦那様は御羽織を
脱捨てて、額の汗を御|拭《ふ》きなさるところ。 「ねえ、綾さん、こういう時にはそ....
「家」より 著者:島崎藤村
うです――なんでも、伊東の方で聞いてらしったんでしょう」 三吉は小倉の行燈袴を
脱捨てて、濡縁のところへ足を投出した。 「それはそうと、姉さんは木曾の方へ子供を....
「傾城買虎之巻」より 著者:直木三十五
無い。瀬川は打懸《うちかけ》を引きながら入ってきたが、その客の前へきて、すらりと
脱捨てると、右手に閃く匕首《あいくち》。 「敵」 と云って肩日へぐさと突きさす....
「秋日記」より 著者:原民喜
とん》の上に、小豆色《あずきいろ》の派手な鹿子絞《かのこしぼり》の羽織がふわりと
脱捨ててあるのが、雪の上の落葉のようにあざやかに眼にうつるが、枕《まくら》に顔を....
「壊滅の序曲」より 著者:原民喜
来ると、二枚重ねて着ている服は汗でビッショリしているし、シャツも靴下も一刻も早く
脱捨ててしまいたい。風呂場で水を浴び、台所の椅子に腰を下ろすと、はじめて正三は人....
「里の今昔」より 著者:永井荷風
の隅田川の岸には娼妓《じょろう》の用いる上草履《うわぞうり》と男物の麻裏草履とが
脱捨ててあッた事が知れた。(略)お熊は泣々《なくなく》箕輪《みのわ》の無縁寺《む....
「世間師」より 著者:小栗風葉
々していると、上さんがまた、 「お上り。」 「は。」と答えた機で、私はつと下駄を
脱捨てて猿階子に取着こうとすると、 「ああ穿物は持って上っておくれ。そこへ脱いど....