脱税[語句情報] » 脱税

「脱税〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

脱税の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
。彼は、手にとった石をあっさりと返して、 「君、これは盗ったやつかね。それとも脱税品か」 「マア、言や後のほうだろう。ところで、見受けたところ大将は、日本人....
動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
岩倉会社は、表面法律で許された二隻の捕鯨船で、その実、三隻それも一隻はぬけぬけと脱税までして、能率を上げていたんですよ……ところが、この釧路丸は贋物なんですから....
青服の男」より 著者:甲賀三郎
犯罪史に類のない犯罪だね、結局の所殺人ではなし」と、警部は考えながら、「相続税の脱税と、身分詐称かね、それから屍体遺棄――屍体遺棄といえるかなア、別荘の中へ置い....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
公示したことになるが、公認宗教であって邪教でない筈の天理教が、教義と無関係に単に脱税行為だけが、検挙の目標となっていることは、公認宗教と類似宗教との区別が、単に....
人間の道義」より 著者:宮本百合子
の誑し遊びのように、ちょいと形を代えて細かい札にさえすれば、何十万円という金が、脱税出来るからくりとは知らなかった。インフレーションで悲鳴をあげているのは、実直....
便乗の図絵」より 著者:宮本百合子
で来ている。その上に、昨今は取引高税その他日常生活に直接ひびく課税目録がふえた。脱税は重い刑でとりしまるとおびやかされている。政府は、日本の目下の状態として、や....
続堕落論」より 著者:坂口安吾
はその成立の始めから淳朴などという性格はなかった。 大化改新以来、農村精神とは脱税を案出する不撓不屈の精神で、浮浪人となって脱税し、戸籍をごまかして脱税し、そ....
」より 著者:織田作之助
た。何のための留置かわからなかったが、やつれはてて帰ってきたお君の話で、安二郎の脱税に関してだとわかった。それならば安二郎が出頭しなければならぬのにと豹一は不審....
現代の詐術」より 著者:坂口安吾
を想像すらもできなかった。 大化の改新によって口分田という制度ができた。すると脱税や使役をのがれるために戸籍をごまかしたり、逃亡をやり、税のかゝらぬ寺領や貴族....
ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
いう日本の現実は悲しむべき貧しさである。 密告歓迎などというのも、またひどい。脱税の密告、イントク物資の密告、政府は密告の国風を熱情こめて作りつゝあるもののよ....
土の中からの話」より 著者:坂口安吾
入の地であるから自分の田畑を逃げて荘園へ流れこむ。又は自分の土地を荘園へ寄進して脱税をはかるという風潮が全国一般のことになったから、国有の土地が減少して寺領とか....
復活祭」より 著者:久生十蘭
・ブラウ》のナイト・クラブをマンハッタンだけでも五つも持ち、第三街へ持ちこまれる脱税ウイスキーは一箱についていくらという歩合をとり、ほんの上っ面の財産だけでも五....
夜の構図」より 著者:織田作之助
意地の悪い言葉だが、しかし、その前に信吉は、自分は二流だという申告をしていたから脱税行為にはなっていなかった。 だから、薄井もちょっと反駁のしようがなく、暫ら....
児童の解放擁護」より 著者:小川未明
、たゞ一つという訳でなく、所有欲より、すべての山林、畑地の名儀にて登記し、公然、脱税せるものもあるのだ。かりに、これを借りることも、規律正しく使用するに於ては、....
旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
。そしてそれが為に彼らは餌取の名を与えられていたのだ。三善清行の「意見封事」に、脱税出家の沙門の徒を評して、その「家に妻子を蓄へ口に腥※を啖ふ」の行為を指摘し、....