脱離[語句情報] » 脱離

「脱離〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

脱離の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
炭を描《えが》くは瞬時の閑《かん》を偸《ぬす》んで、一弾指頭《いちだんしとう》に脱離の安慰を読者に与うるの方便である。ただし地球は昔《むか》しより廻転する。明暗....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
おお人々よ慾を捨てよ! 慾こそは輪廻を産む。正観せよ! 正思せよ! 輪廻を断滅脱離せよ! その時こそ救われるであろう。……仏様よ、妾は羅漢として、今こそ勤めを....
子供・子供・子供のモスクワ」より 著者:宮本百合子
中心とし、集団的行動の必要に訓馴されて次第に個人主義的なものの考えかたの習慣から脱離しはじめたのである。) その教師には「しゃっちこばり」というあだながつい....
高浜虚子著『鶏頭』序」より 著者:夏目漱石
ぬ。然し其第一義というのは生死界中に在《あ》っての第一義である。どうしても生死を脱離し得ぬ煩脳底《ぼんのうてい》の第一義である。人生観が是より以上に上れぬとする....
ツルゲーネフの生きかた」より 著者:宮本百合子
感情、社会の一般的情勢に制約されつつ、或る者は恋愛をモメントとして自己の階級から脱離し、或る者は一層かたくそれと結合する。その相剋の間に、各々の個性が最も覆いも....
話の種」より 著者:寺田寅彦
してみると、驚くべし、これは生殖作用を遂げるため、雄の足の一部が子種を運ぶために脱離し、雌の体内に侵入したものだという事がわかった。それ以来次第に研究を進めてみ....
最近の感想」より 著者:種田山頭火
もしも季題というものが俳句の根本要素であるならば、季題研究は全然因襲的雰囲気から脱離して、更に更に根本的に取扱われなければならない。 私は季題論を読むとき、季....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
訥子、尾上菊四郎、岩井松之助などであった。 かれはもう二銭の劇場の俳優生活から脱離したのであるが、それでも二銭団洲の名はかれに付きまつわっていて、それが彼の仕....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
傾向を有せざる事なり。日々《にちにち》平常の生活難に追はれて絶えず現実の感情より脱離する事なきも、しかもまたその中《うち》自《おのず》から日本人生来の風流心を発....
人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
る。ここにおいてか人身御供となり、人柱となれるものは、必ず死して人間界の束縛から脱離することを条件とする。なお死者に対して殉死者があると同一思想に基づくものであ....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
ある、畢竟境遇上の問題であります。したがって少くも古代に於いては、その境遇をさえ脱離すれば、もはや少しも区別のない者になってしまった筈であります。したがって古代....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
て、一旦エタ、非人と呼ばるる境遇に堕落したものも、いわゆる足を洗うてその社会から脱離するものもあれば、新たにその社会に落ち込んで来るものもあるのである。しかるに....
俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
ある。俳人どもが集まってともに俳句を作るその場所もまた人生の一部分である。人生を脱離して超越していると考えながらも、やがて人生の波瀾の中に巻き込まれているのが普....