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「脳力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

脳力の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
動力となり得べき時代に到達した。女性は多くを失ったとしても、体力に失ったほどには脳力に失っていない。これが女性のその故郷への帰還の第一程となることを私は祈る。こ....
蠅男」より 著者:海野十三
や二つ以上ある内臓は、これを切除するか又は一つに減らしてしまう。そうすると人間の脳力は、手足などのことに煩わされることがなくなり、結局今まで無駄につかっていた脳....
食魔」より 著者:岡本かの子
のもの」に過ぎなかった。彼は衒学的な口を利くことを好むが、彼には深い思惟の素養も脳力も無い筈である。 これは全く押し詰められた体験の感じから来たもので、それだ....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
には快楽は無かったに違いない。約言すれば快楽は欲求を予想している。元来快楽主義は脳力の発達した動物にのみあり得べき主義である。それに人間には朧ろながら理想という....
人造人間事件」より 著者:海野十三
に引張りまわされているのであった。なんという複雑な構造だろう。竹田博士の素晴しい脳力のほどがハッキリ窺われるような気がした。ことに帆村たちの注意を引いたものは、....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
ているひとつの不可思議な光景が眼を打つのだ。それは、ありとあらゆる、およそ人間の脳力で考え得る限りの動植物――鉱物はないようだった――の 〔hors-d'oe&....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
耗せる体力が、心地よき安静によりて完全に本復せる時、はげしき屈托の為めに欝屈せる脳力が、適宜の娯楽によりて完全なる働きを取り戻した時こそは、他界の指導者が働きか....
反抗」より 著者:豊島与志雄
になり、一転して享楽主義の論となり、天才の本質は純粋享楽だというようなことから、脳力と性慾との問題に及び、文学や美術に現われてる女のモデルと作者との関係から、や....
或る男の手記」より 著者:豊島与志雄
と煙草とは精神の一種の手淫である。その不自然な精神的淫蕩に沈湎してるうちに、私の脳力も体力も衰えてきて、その直接の現われとしては、前に述べたようなひどい性慾減退....
意欲の窒息」より 著者:豊島与志雄
う。思想と想像との区別がなく、現実と仮定との区別がないのである。そして何と莫大な脳力の徒らな消費だろう。 こういう神経衰弱は、現代に往々見受けられる。そしてそ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ていた。男たちの方もその問題には同じく趣味を覚えていて、ほとんど劣らないくらいの脳力を示していた。また彼らは自分の細君の家政的手腕を誇り、細君らは自分の良人《お....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ものであるから、そして群集は偉大なるものを好むものであるから。 戦闘艦は人間の脳力と自然の力との最も壮観なる争闘の一つである。 戦闘艦は最も重きものと最も軽....
憑きもの」より 著者:豊島与志雄
った。随って、ますますカストリに頼った。ところが、カストリというものは、体力をも脳力をも消耗するだけで、何等の栄養にもならない。そのことに気付いた時は既に遅く、....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
ちはだんだん痴愚になってゆくようだ。 実際、今のところは死なないと云うだけだ。脳力、が暑さのため減退してゆくと云うことは、なにより、お利口さんのハチロウをみれ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
嫉妬の焔に身を焼き、周囲の人々をみんな敵のごとく考えたりします。 しかし人間の脳力には限度がありまして、嫉妬とか邪推とかの方面にばかり鋭くはなりますが他の方面....