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「脳漿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

脳漿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
して敗戦の大損害を償《つぐな》わんか、これこの時にあたりデンマークの愛国者がその脳漿《のうしょう》を絞《しぼ》って考えし問題でありました。国は小さく、民は尠《す....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
い奇上《きじょう》に妙《みょう》を点じ変傍《へんぼう》に珍《ちん》を添えている。脳漿一勺《のうしょういっせき》の化学的変化はとにかく意志の動いて行為となるところ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
かかったもう一本――それが、鈍い大振子のように揺れているのだった。 さながら、脳漿の臭いを嗅ぐ思いのする法水の推定が、ついに覆されてしまった。レヴェズは発見さ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
が違います。……鳶尾根末、亜鉛華、麝香草、羊脂、魚膠、雷丸油、疱瘡で死んだ嬰児の脳漿、それを練り合わせた塗抹剤……お着けすることに致しましょう」 髪を梳る音が....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
と※くものもあった。古今の英雄の詩、美人の歌、聖賢の経典、碩儒の大著、人間の貴い脳漿を迸ばらした十万巻の書冊が一片業火に亡びて焦土となったを知らず顔に、渠等はバ....
原爆詩集」より 著者:峠三吉
さしの堆積であった広島 やがてボロ切れのような皮膚を垂れた 両手を胸に くずれた脳漿を踏み 焼け焦げた布を腰にまとって 泣きながら群れ歩いた裸体の行列 石地蔵の....
血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
出した。外側から内側の鍵をかけるという事については、外国の探偵作家が、一生懸命に脳漿を絞って、二三の考案をしている。然し、それは可成実際に遠いもので、私が覚えて....
雪の宿り」より 著者:神西清
ます。刀の鞘を払って走せ向った血気の青侍二三名は、忽ちその大丸太の一薙ぎに遇い、脳漿散乱して仆れ伏します。その間にもはや別の丸太を引っ背負って、南面の大扉にえい....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
ると、案外たわいのない錯覚なのではなかったろうか。 と、フローラは、皮質をもみ脳漿を絞り尽くして、ようやく仮説を組み上げたけれども、昨夜見た父の腕だけは、どう....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
なに骨折って知恵を運《めぐ》らす必要があるか、むろん悪口の種類にもよるが、同じく脳漿《のうしょう》を絞るなら、悪口に対し弁護するよりもまだまだ適切な用途が多くあ....
南国太平記」より 著者:直木三十五
刀をついて、立上っていた。 「小太郎」 斬割られた頭から、どす黒く、血と混った脳漿《のうしょう》が、眼から、鼻の脇へ流れて、こびりついていた。右手の袖が、斬落....
狂人日記」より 著者:秋田滋
にそれを振り上げ、その刄の方で釣師の頭をひと撃ちで割った。頭から血が流れ出した。脳漿が入り混った、薔薇色の血! それは緩やかに川の中に流れ込んだ。私は落著いてゆ....
旅客機事件」より 著者:大庭武年
す。屍体を検案するに、致命傷は前額部の一創にして、約拳大に亙って、頭蓋骨粉砕し、脳漿露出す。他殺と確定。兇器は重き鈍器にして、被害者の不意を見すまし、激しき勢を....
西航日録」より 著者:井上円了
たり、筆を執るにものうし。ただ終日、甲板上に横臥するのみ。余よっておもうに、人の脳漿はバターに似たるか、暑気の加わるに従い、融解して水のごとくなるを覚ゆ。二日雷....
悪魔の弟子」より 著者:浜尾四郎
? 私は石のようになって、なおもその紙を見つめたのです。 私は死物狂になって脳漿《のうしょう》をしぼりました。 そうだ、私は此の女を殺そうとしたのだ、此の....