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脳神経
「脳神経〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
脳神経の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「梓川の上流」より 著者:小島烏水
に足らず、南北は三里という薬研《やげん》の底のような谷地であるが、今憶い出しても
脳神経が盛に顫動《せんどう》をはじめて来る心地のするのは、晶明、透徹のその水、自....
「性急な思想」より 著者:石川啄木
を営み――仮令《たとえ》ば、頽廃的《デカダン》という事を口に讃美しながら、自分の
脳神経の不健康を患《うれ》うて鼻の療治をし、夫婦関係が無意義であると言いながら家....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
なくなった。そして学科を休んでは、一日学校のあちこちをうろついていた。 軍医は
脳神経衰弱と診察した。そして二週間の休暇をくれた。 学校の門を出た僕は、以前の....
「霜凍る宵」より 著者:近松秋江
あった。一度ならず二度までも軽々と、あの母親のいうことを真実に受けて、この貴重な
脳神経を、どんなに無駄に浪費したか知れぬ」と、口惜しさと憤りとがかっとなるようで....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
いうわけか知らないが、そのラッパや鈴の音を聞くと、堪えがたい恐怖か憤懣がこの犬の
脳神経中枢をいらだたせるものと思われる。 生理学のほうで「条件反射」という現象....
「映画と生理」より 著者:寺田寅彦
る、その変化が長時間持続するとある化学的物質の濃度に持続的な異常を生じて、それが
脳神経中枢のどこかに特殊の刺激となって働く、そうして元の精神集注状態がやんだ後ま....
「海底都市」より 著者:海野十三
。五種類の薬品をつめこんであるのだ。それを適当に蒸発せしめて、或る特殊のリズムで
脳神経に刺戟をあたえる。このリズムを決定することがむずかしい」 「なるほど。僕も....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
ずれに大きくなり過ぎた頭の重みから、絶えず生命の悩ましさと危さとを感じて、慢性の
脳神経衰弱症にとりつかれている、この幼馴染の青瓜を思うと、私は実際気の毒でならな....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
破壊線を射かけてくるぞ。頭がくらくらとしたら、なにも考えてはいけない。考えると、
脳神経が焼き切れるのだ。ぼんやりしていれば、間もなくなおる」 「ふうん。神経破壊....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
僚にもらしたというから、その懊悩の姿は眼に見えるようだ。何かの固定した恐迫観念が
脳神経にコビリ付いていたのだろう。すでに昨秋帰朝した時以来、友人の語る処によると....
「茨海小学校」より 著者:宮沢賢治
《ふ》いてから又云いました。 「で一般に、この鶏の肉に限らず、鳥の肉には私たちの
脳神経を養うに一番大事な燐《りん》がたくさんあるのです。」 こんなことは女学校....
「放浪作家の冒険」より 著者:西尾正
淫売婦がたっている、むろん正常じゃないが、婬惨な、ダダ的な情欲がながれて、おれの
脳神経をあまずっぱく刺戟した。女はおれの甘チャンぶりをはやくも洞察したのであろう....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
義《ニュディズム》の流行に迎合しているのではない。彼が好むと好まぬにかかわらず、
脳神経に栄養を与えるため、一日一時間の日光浴を強制されているのにほかならない。 ....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
れと思召《おぼしめ》し給いけむ二月上旬のとある天気晴朗の朝、避寒ならびにコン吉の
脳神経に栄養を与えるため、地中海沿岸の遊楽地へ向けて再度出発することに決定、けだ....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
受け、ついに心神耗弱したるコントラ・バスの研究生|狐《きつね》のコン吉氏は、その
脳神経に栄養を与えるため、常春《とこはる》の碧瑠璃海岸《コオト・ダジュウル》に向....