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脹らみ
「脹らみ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
脹らみの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
もキラリキラリと鋭く光りつづけました。掏摸とった小判はどこに持っているか? 胸の
脹らみ、腰の
脹らみ? だが、腰にも胸にも成熟した娘の匂やかさはあっても、小判らし....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
目にも張りが出て来た。名伏しがたい仄かな魅力を潜めている、頬から顎のあたりにも、
脹らみが取り戻されて来た。どうにか用心ぶかく冬を凌いで来た庸三も、毎年このころに....
「罌粟の中」より 著者:横光利一
、あの中でも一番の名手らです」 とヨハンは説明した。音色に滴るような弾力があり
脹らみがあった。譜も見ず、ゆらめき出て来た月の真下で、彼等は露天にそれを仰ぎさざ....
「二つの途」より 著者:豊島与志雄
しに、激しく頭を振った。それから眼を閉じた。きっと寄せた両の眉根に、痛ましい肉の
脹らみがぽつりと出来ていた。 啓介は驚いてその顔を見つめた。 「どうしたんだ、....
「理想の女」より 著者:豊島与志雄
で、眼の前を通り過ぎるあらゆる女の、髪の匂い、眼の輝き、唇の色、頸筋の皮膚、胸の
脹らみ、腰の曲線、足の指先、などを臆面もなく而もひそかに窺っていた。その上、異性....
「小説中の女」より 著者:豊島与志雄
――彼女の眼は、妙に見透せない影に包まれて、その底に何か冷たいものを含んでいた。
脹らみのない薄い眼瞼、長い睫毛、小さな黒目、そして眼尻にあるかないかのかすかな凹....
「女客一週間」より 著者:豊島与志雄
な顔をしている。濃い眉毛が健康そうだ。眼の奥には、もう思想の影はない。まるい頬の
脹らみに、口が小さい。鼻の下の上唇のみぞが深く切れて、それが大きな目玉と共に、子....
「父の形見」より 著者:豊島与志雄
相というものが殆んど見られなかった。眉根によってる深い皺と、つぶった眼瞼のまるい
脹らみとがありありと彼の生前の面影を伝え、ただ、口から顔へかけて、ひどくしぼんで....
「どぶろく幻想」より 著者:豊島与志雄
ろう。 泣いてる周さんの顔は、窶れて肉が落ちたように見える。それが次第に大きく
脹らみ、額や頬に肉が盛り上ってき、眼もかっと見開かれると、怒ってるのだ。 「千代....
「パルテノン」より 著者:野上豊一郎
したといわれる白大理石も二千四百年の星霜をけみして乳色に古び、溝彫の流れも柱胴の
脹らみも或る柱には精巧な美しさをまだ保ちながら、多くの柱には溝彫の稜が到るところ....
「澪標」より 著者:外村繁
どろに乱れながら自分から言い出した。 「腹帯がいけなかったの」 とく子は腹部の
脹らみを怪しまれ、別室に連れて行かれて、腹帯を解かされ、更に匍匐して調べられたと....