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「脾腹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

脾腹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
を後ろへそらせて、けたたましい悲鳴をあげたと思うと、次郎の太刀は、早くもその男の脾腹《ひばら》を斜めに、腰のつがいまで切りこんだのであろう。骨を切る音が鈍く響い....
三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
り裂きました。わたくしはまた飛びすさりながら、抜き打ちに相手を払いました。数馬の脾腹《ひばら》を斬られたのはこの刹那《せつな》だったと思いまする。相手は何か申し....
藪の中」より 著者:芥川竜之介
げ》しい女は、一人も見た事がありません。もしその時でも油断していたらば、一突きに脾腹《ひばら》を突かれたでしょう。いや、それは身を躱《かわ》したところが、無二無....
或る女」より 著者:有島武郎
」 といいながら、目をつぶって、床の上に寝倒れると、木村の手を持ち添えて自分の脾腹《ひばら》を押えさして、つらそうに歯をくいしばってシーツに顔を埋《うず》めた....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
り。白糸はその手に咬《か》み着き、片手には庖丁振り抗《あ》げて、再び柄をもて渠の脾腹《ひばら》を吃《くら》わしぬ。 「偸児! 人殺し!」と地蹈鞴《じだたら》を踏....
空中墳墓」より 著者:海野十三
た。急場だ、ヒラリと二度目に怪漢の腕をさけると、三度目には身を沈め、下から相手の脾腹を突き上げた。ウームと恐ろしい唸声がして私の目の前に大きな身体がドサリとぶっ....
赤外線男」より 著者:海野十三
た。これは火事でも起ったのかと思い、戸口を開けて闇の戸外へ一歩踏み出した途端に、脾腹をドスンと一つきやられて、その儘何もかも判らなくなりました。大変寒いので気が....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
、パチノの曾孫にあたる吾が……」 「お黙り!――」と、悪鬼は足を揚げて、青竜王の脾腹をドンと蹴った。 「ウーム」 と彼が呻きながら、その場に悶絶した。 「ああ....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
、 「あああ、あやしい奴!」 と、いうさけびもしどろもどろだ。太刀川の鉄拳に、脾腹をやられ、ぎゃっとたおれるところを、三人はすばやく通りぬけて、潜水服置場に走....
」より 著者:海野十三
おお、荘厳なる雷よ! さあ、万丈の天空より一瞬のうちに落下して、脳天をうち砕き、脾腹をひき裂け!」 彼はこの世の人とも思われぬ、すさまじい形相をして、恐ろしい....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
上機関大尉は、 「えい!」 と叫んで身をしずめた。 「うーむ」 スミス中尉は脾腹をおさえ、その場に倒れた。川上磯関大尉得意の当身であった。 リット少将はさ....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
、ははははは、うッ、うッ、えへッへッへッ。」 と横のめりに平四郎、煙管の雁首で脾腹を突いて、身悶えして、 「くッ、苦しい……うッ、うッ、うッふふふ、チ、うッ、....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
べかッこを遣ったと思え。 「きゃっ、ひいッ。」と逆に半身を折って、前へ折曲げて、脾腹を腕で圧えたが追着かない。身を悶え、肩を揉み揉みへとへとになったらしい。……....
活人形」より 著者:泉鏡花
いけん。うむと唸くに力を得て「やい、しっかりしろ。と励ませば、八蔵はようように、脾腹を抱えて起上り、「あ痛、あ痛。……おお痛え、痛え、畜生|非道いことをしやあが....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
たな、と感じた瞬間、ケンプ博士は、したたかに顎に一|撃をくらった。倒れたところを脾腹をけられ、つづいて胸を重いものがおさえつけ、のどをしめつけられた。 工夫の....