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「腐木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腐木の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
時に清々しく乾いて来た。彼は随分|疲労れていたので、 「どれ一休息」と呟きながら腐木の株へ腰をかけた。それから四辺を見廻わした。青々と茂っている羊歯の間から矢車....
魚服記」より 著者:太宰治
めこというぬらぬらした豆きのこは大変ねだんがよかった。それは羊歯類の密生している腐木へかたまってはえているのだ。スワはそんな苔を眺めるごとに、たった一人のともだ....
李陵」より 著者:中島敦
刑《ふけい》ともいうのは、その創《きず》が腐臭を放つがゆえだともいい、あるいは、腐木《ふぼく》の実を生ぜざるがごとき男と成り果てるからだともいう。この刑を受けた....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
にさえ当らぬもの、金内殿も、おおかた海上でにわかの旋風に遭い、動転して、流れ寄る腐木にはっしと射込んだのでなければ、さいわいだがのう。」と、当惑し切ってもじもじ....
南島譚」より 著者:中島敦
。貞淑な妻を裏切った不信な夫は奸悪な海蛇だ。海鼠《なまこ》の腹から生れた怪物だ。腐木に湧く毒茸。正覚坊の排泄物。黴《かび》の中で一番下劣な奴。下痢をした猿。羽の....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
と聳えている。枝葉がこんもりと繁っている。非常に大きな苔むした岩や、自然に倒れた腐木などが、森のあちこちに転がっている。 女の坐っている後方にあたって、一点の....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
の木々にぶつかったからであろう。 と、俄然主税の体が、刀をしっかりと握ったまま腐木のように地に仆れた。斬られて死んで斃れたのではなかった。 心身まったく疲労....
剣侠」より 著者:国枝史郎
たが、不意に立ち止まるとブルブルと顫え、持っていた懐刀をポタリと落とし、あたかも腐木が倒れるように、澄江は地上へ俯向けに倒れた。 意識が次第に失われて行く。 ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
らは、元寇ノ役の遺跡だった。 国をあげて、外敵にそなえた日の防柵や石垣や乱杭の腐木などが、今も川床や草の根に見あたらなくはない。 菊池武敏は、浜をひだりに、....