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「腐臭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腐臭の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
李陵」より 著者:中島敦
なくする奇怪な刑罰である。これを一に腐刑《ふけい》ともいうのは、その創《きず》が腐臭を放つがゆえだともいい、あるいは、腐木《ふぼく》の実を生ぜざるがごとき男と成....
ものわかりよさ」より 著者:宮本百合子
きいかりを腐らしたからであると思う。 女のいつわりない女心は、ものわかりよさが腐臭を放っていることをよろこばないのである。 〔一九四〇年十月〕....
転向」より 著者:和辻哲郎
った。それゆえに私は真の勇気を怯懦と感じ、真の充溢を貧弱と感じた。それゆえに私は腐臭を帯びた人間を価値高きものとして尊敬した。ああ。何という自分だろう。私は何も....
三国志」より 著者:吉川英治
、政をつかさどる者にあった。地方よりも中央にあった。 けれど腐れる者ほど自己の腐臭には気づかない。また、時流のうごきは眼に見えない。 とまれ官軍は旺だった。....
三国志」より 著者:吉川英治
自由もゆるされなかった。 供御の食物なども、実にひどいもので、膳がくれば、必ず腐臭がともなっていた。 帝は、箸をお取りにならない。侍臣たちは、強いて口へ入れ....
三国志」より 著者:吉川英治
く、涙なく、彼らは戦っていた。 双方の死骸は、街路に横たわり、溝をのぞけば溝も腐臭。木陰にはいれば木陰にも腐臭。――そこに淋しき草の花は咲き、虻がうなり、馬蠅....