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「腐食〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腐食の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白金神経の少女」より 著者:蘭郁二郎
か、と思いあたったのじゃ、そして電気をよく通すもの、しかし銅では体内で酸化したり腐食する惧れがあるというので、白金を髪の毛のように細かく打伸ばしてな、これを使っ....
黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
なかの三個はたしかにそれぞれ五百ドルの価はある。時計の多くは非常に古くて、機械が腐食のために多少ともいたんでいるので、時を測るものとしては無価値であった。が、ど....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
娯楽を求める念が盛んになる、上品な娯楽は人間の霊の慰安になるが、下等な娯楽は霊を腐食する黴菌である。 読者諸君! 諸君は決してゆだんをしてはならぬ、諸君の前に....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
彼は同国人らと同じように、ヨーロッパの精神的貴族社会を呑噬《どんぜい》しつつある腐食のうちに、フランスの芸術に固有な悪徳を、ラテン諸民族の欠点を、見て取らずには....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
三十年後には、おそらくは有益なものとなるかもしれないが、しかし現在では、人の魂を腐食し焼きつくしてるのみだった。またある者らは、幻をもたないごく寂しい、苦《にが....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
スカイヤン銃弾が鳴り響いた。彼の馬の足が立っていたほとんど同じ場所から、その後、腐食した砲弾や古い剣の刃や錆《さ》びついて形を失った銃弾などが拾い出された、錆び....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
に、朝日の光に身を震わして、豊富な緑の髪を風に打ち振りながら、湿った土地の上に、腐食した立像の上に、家のこわれかかった石段の上に、人なき街路の舗石《しきいし》の....
死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
、私もそのなかにはいってるだろう。月の光はなく、みなは低い声で話す。市庁がそこに腐食した正面と、きれぎれの屋根と、みなに無慈悲だった時計面とを見せている。広場に....