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「腕捲り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腕捲りの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:岡本かの子
を距てた向側に子供を坐らせた。子供の前には膳の上に一つの皿を置いた。 母親は、腕捲りして、薔薇いろの掌を差出して手品師のように、手の裏表を返して子供に見せた。....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
ませんがね」 貝原は宮大工上りの太い手首の汗をカフスに滲ませまいとして、ぐっと腕捲りして、煽風器に当てながら、ぽつりぽつり、まだ、通しものの豆を噛んでいる。 ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
れでも瀬を造って、低い処へ落ちる中に、流れて来たものがある、勇美子が目敏く見て、腕捲りをして採上げたのは、不思議の花であった。形は貝母に似て、暗緑帯紫の色、一つ....
南国太平記」より 著者:直木三十五
と 「馬鹿野郎っ、素浪人の、痩浪人、口惜しかったら出て来いっ」 二人の職人は、腕捲りをして入口まで出て来た。小太郎は、怒りの中から、二人の不審な態度に、疑いを....
醤油仏」より 著者:吉川英治
丑と三公が、飯を噛み噛み意気込んで来て、 「さ、伝公、二升五合賭で来い」 と、腕捲りをして前へ立った。 「伝公ッて? ……」 左次郎はヒョイと男の顔を盗み見....