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「腕時計〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腕時計の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
ても――僕の刑務所の門をくぐったのはかれこれ十時になりかかっていた。けれども僕の腕時計はもう一時十分前だった。 僕は勿論《もちろん》腹も減りはじめた。しかしそ....
河童」より 著者:芥川竜之介
一時二十分過ぎです。が、それよりも驚いたのは何か気味の悪い顔が一つ、円《まる》い腕時計の硝子《ガラス》の上へちらりと影を落としたことです。僕は驚いてふり返りまし....
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
だいく》の半之丞には大金だったのに違いありません。半之丞はこの金を握るが早いか、腕時計《うでどけい》を買ったり、背広《せびろ》を拵《こしら》えたり、「青ペン」の....
早春」より 著者:芥川竜之介
ゅうるい》の標本室《ひょうほんしつ》である。中村はそこへはいる前に、ちょっと金の腕時計を眺めた。腕時計の針は幸いにもまだ二時になっていない。存外《ぞんがい》遅れ....
深夜の市長」より 著者:海野十三
だ。いいかネ」 「どうしたんでしょう。莫迦に僕の拾った時計は狂っていますね。僕の腕時計を見ましょう。……ああ、停っている」 手首を伸ばして見ると、僕の腕時計は....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
「ほう、もう八時に二分しか無いね。先生、また女の患者にでも掴ってんのじゃないか」腕時計の硝子蓋を、白い実験着の袖で、ちょいと丸く拭いをかけて、そう皮肉ったのは白....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
いる士官は、忙しく数字を怒鳴っていた。砲術長は、高声器から、射撃命令を受けとると腕時計を見守りながら電気発火装置の主桿を、ぐッと握りしめた。 (もうあと、五秒、....
蠅男」より 著者:海野十三
った。 電灯が室内をうすぼんやり照らしていた。もう夜らしいが、何時だろうかと、腕時計を見ようとしたが、とたんに彼は、飛びあがるような疼痛を肩に感じた。 「呀ッ....
地球盗難」より 著者:海野十三
いるんだよ」 そういうと佐々記者はアタフタと、宿を飛び出していった。大隅学士は腕時計を見た。あと十五分で、その午前十一時となるのであった。彼の元気な友人は、今....
山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
えるのが見えた。ウ氏は幸いに大きな岩の上に落ちた。電灯は次へ次へ渡される。坊城の腕時計を照らしたら七時半だった。さっきもどった時から一時間滑ったわけだ。どうにか....
金属人間」より 著者:海野十三
でしょうか」 博士は、はっとしたようすだった。きゅうにふきげんになった。そして腕時計を見た。 「おお、もう約束の十五分間は過ぎている。会見は終りにします。これ....
鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
無我夢中で、二三丁ばかり、走るように歩いて、彼女はやっと電柱の蔭に足を停めた。腕時計を見ると、時計は、ちょうど、午後四時を指していた。 (今の話は、あれはどう....
大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
きりわかりかねたが、心配のことだけは、よくわかったので安心した。 その艇長は、腕時計をちょっと見て、それからまた別な号令をかけた。 「窓を開け!」 すると信....
空襲下の日本」より 著者:海野十三
らまた点くといよいよ非常管制だよ」 二人の少年は、真暗なところに立って、夜光の腕時計を眺めていた。そのときヒョーヒョーと汽笛は鳴りはじめ、ブーッとサイレンは鳴....
発明小僧」より 著者:海野十三
んなさい。」 秘書「こりゃ奇妙だ。……四五本、置いていってくれ給え。」 目醒し腕時計 社員「なアんだ。腕時計じゃないか。しかも型が大きくてアンチ・モダンだ。…....