腕木[語句情報] » 腕木

「腕木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腕木の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
風の又三郎」より 著者:宮沢賢治
、じゃみ上がりというやり方で、無理やりに鉄棒の上にのぼり両腕をだんだん寄せて右の腕木に行くと、そこへ腰掛けてきのう三郎の行ったほうをじっと見おろして待っていまし....
おじいさんのランプ」より 著者:新美南吉
長い柱を立てているのを見た。その柱の上の方には腕のような木が二本ついていて、その腕木には白い瀬戸物のだるまさんのようなものがいくつかのっていた。こんな奇妙なもの....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
の念をおこさせる力がある。直径二尺から三尺、高さ三十尺から四十尺の巨柱は、複雑な腕木の網状細工によって、斜めの瓦屋根の重みにうなっている巨大な梁をささえていた。....
少年探偵長」より 著者:海野十三
うな拷問をいくつでもしてあげるよ。たとえば、こんなのはどうだ」 頭目が、椅子の腕木のかげにつけてある押釦の一つをおした。すると天井から、鍋をさかさに吊ったよう....
恐竜島」より 著者:海野十三
たものであった。 玉太郎は、そばへ行って、このカヌーをつくづくと見た。外へ出た腕木《うでぎ》が折れていた。それを修理すると、彼は一つ舟をもつことになる。希望が....
人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
とぶように越していった。正太はあと五十メートルだ。 そのとき意地わるく、踏切の腕木が下がった。そしてじゃんじゃんベルが鳴りだした。急行電車がやってきたのだ。正....
軍用鼠」より 著者:海野十三
その国境線を間に挿んで両側に、それぞれの国の材料で作ったそれぞれの形をした踏切の腕木のようなものがある。国境線上を通過する者があるたびに、この二つの腕木がグッと....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
婦人の一団中にすわってる彼女を、横から見やった。彼女は肱掛椅子《ひじかけいす》の腕木に片肱をつき、身体を少しかがめ、手先で頭をささえて、怜悧《れいり》なしかも心....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ス小路とポロンソー街との中に含まるるドロア・ムュール街の辺全体を占めており、その腕木は、鉄格子《てつごうし》のある灰色の高いいかめしい正面であって、ピクプュス小....
自由人」より 著者:豊島与志雄
が巣くっていた。 その一羽が、今、美しい声で鳴きながら、ゆるやかに舞いながら、腕木に戻って来た。足に何かを掴んでいる。鳩ぐらいの大きさの鳥らしい。足でしっかと....
平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
とに気が附いた。 左手は、だらりと床の方へ垂れ下っているのに、竹倚《チョイ》の腕木にのせた右手の人差指が何事かを指示すように三尺ばかり向うの床の一点を指《ゆび....
真珠の首飾り」より 著者:神西清
れはどうも! お前さんもなかなか、隅に置けないわい!』 そう言って、舅は腰掛の腕木に、黙然と指で拍子をとりはじめましたが、やがて立ちあがって、こう言いました。....
判決」より 著者:カフカフランツ
た。商品棚の残骸のあいだ、めちゃめちゃにされた品物のあいだ、垂れ下がったガス燈の腕木のあいだに、友人はまだたたずんでいる。なんだってそんなに遠くまで去っていかな....
イギリス海岸」より 著者:宮沢賢治
した。せいの高い二本のでんしんばしらが、互《たがい》によりかかるようにして一本の腕木《うでぎ》でつらねられてありました。そのすぐ下の青い草の崖《がけ》の上に、ま....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
光の数かぎりなき細かな輪の線を辷らしながら、目にも留らぬ速さで廻っていた。無論|腕木の支柱があり、黒鉄の上下|槓が横斜めに構えてはいた。その把手を菜っ葉服の一人....