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腕章
「腕章〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
腕章の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る嬰児殺しの動機」より 著者:佐左木俊郎
そんなところへ車を曳いてきちゃ駄目じゃないか? これが見えんか?」 青白筋の
腕章を巻いた警官が怒鳴った。交差点のGO・STOPはいまSTOPの字版を示してい....
「さようなら」より 著者:田中英光
生死、何れかを選ぶ境に立ったら死ぬのが正しいと教えられてきた日本人。都の衛生課の
腕章をつけたひとの手からは、毒薬でも安心して呑み十数人が一瞬にして殺される日本人....
「新生」より 著者:島崎藤村
遇《であ》った。それらの青年は皆学生であった。普通の服に革帯《かわおび》を締め、
腕章《うでじるし》を着け、脚絆《ゲートル》を巻きつけ、銃を肩にし、列をつくって、....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
お払《はら》いものがないということさ」 お百姓さんは、岡部一郎が、廃品回収屋の
腕章《わんしょう》をつけているのを見て、てっきりお払いものはないかと、ききにきた....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
歩手前になった私達は、学校の仕事のおすそわけをいただいて、級の中から四五人、赤い
腕章をつけることになり、私も辛うじてその中にはいった。
腕章をつけることが大へん嬉....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
間には、柄の曲がった籐杖《とうづえ》にもたれて、黒い線と銀の総《ふさ》のある白い
腕章をつけ、教会堂の入り口に見張りをしてる、彼の姿が見受けられた。彼の職業は棺桶....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
りの犠牲者である)ミクレー山賊の難、青リボン党の難、弁髪党の難、ゼユの仲間の難、
腕章騎士の難などは皆暴動である。ヴァンデの乱はカトリック派の大暴動である。
権....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
物)をもってしなければならない。赤い縁取りと鈴ボタンのついてる青い上衣、延べ金の
腕章、緑皮の股衣、尾を結んだノルマンディー馬への掛け声、にせの金モール、塗り帽子....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
なふうに、彼がいまにも私を静かに冷笑しかかってるらしく、私には思えた。 古参の
腕章をつけてる老兵である憲兵は、返事をひきうけてくれた。 「あなた、」と彼は言っ....
「帝銀事件を論ず」より 著者:坂口安吾
れ去る十六名の姿の中で、冷然と注射器を処理し、札束をねじこみ、靴をはき、おそらく
腕章をはずして立ち去る犯人の姿。私は戦争を見るのである。 あの焼け野の、爆撃の....
「哀れなトンマ先生」より 著者:坂口安吾
ですね。 ツラツラ失敗のあとを尋ぬるに敵を信用せしめるレッキとしたマーク入りの
腕章がなかった。又、附近にホンモノの病人がいて、その病人の住所姓名を心得ていない....
「一世お鯉」より 著者:長谷川時雨
ねると、交番の巡査は知らないと言った。すると直傍《すぐそば》に、青に白の線のある
腕章をつけた交通巡査がいて、 「あるある、出雲町《いずもちょう》の交番の裏だ」 ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
ロッペェ》された。
「犯人は毬栗頭。身長五尺七寸五六分。職業は警察官、金モールの
腕章と三つ乃至五つの星章をつけた警視以上の身分。帯剣。脊柱側彎。左足に軽度の跛行....
「肌色の月」より 著者:久生十蘭
ただごとではなかった。 呼鈴が鳴った。玄関へ出てみると、「湖水会管理人」という
腕章をつけた男が、自転車をおさえて立っていた。 「おやすみのところを、どうも……....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
させてしまった。港外で輸送船がやられた日、鉄かぶとをりりしくかぶり、大学救護隊の
腕章もあざやかに、トラックにとび乗り海岸さして出動したときの山下の勇ましい顔が今....