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腕自慢
「腕自慢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
腕自慢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
のん困るからと云ってる、あとから直ぐこういう鎌が出来ましたが一つ見ておくんせいと
腕自慢の話だ、そんな風だからおれは元から兼公が好きで、何でも農具はみんな兼公に頼....
「村の怪談」より 著者:田中貢太郎
ほんとにして入ると、その男は袋の口をぐいとしめて、突然地べたに投げつけて殺した。
腕自慢の若侍があった。彼は奇怪な狸の噂を聞いて、その狸を退治すると云って、ある日....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
へ出入りするようになった。ハリソンは商人で、もとより専門家ではないが、写真道楽の
腕自慢から、喜んでシマダにいろいろの技術を教えた。シマダも器用でよくおぼえた。そ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ぶが如くに例の寝室まで来て見ると、この有様ですから、無二無三に、 「この野郎!」
腕自慢の田山白雲は、後ろから大の男を引きずり出して、やにわに拳《こぶし》をあげて....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
ので、家主や町代とも相談の上で、かれは生け捕る手段をめぐらした。出入りの鳶の者に
腕自慢の男がいるので、それを語らって軒下の物かげに伏せておくと、賊は果たして夜ふ....
「ニューフェイス」より 著者:坂口安吾
前頭ドンジリの千鳥波五郎が廃業してトンカツ屋を開店することになったとき、町内の紺屋へ頼んだノレンが届いてみると「
腕自慢、江戸前トンカツ、千鳥足」と意気な書体でそめあげてある。 千鳥波が大変怒....
「町内の二天才」より 著者:坂口安吾
ひと月ほど前に、床屋の正坊が新聞にでた。県の将棋大会というのがあって、各町村から
腕自慢が百人ほども集った中に、最年少の正吉もいたのである。二回戦で敗れたが、特に....
「安吾武者修業」より 著者:坂口安吾
生れ落ちると剣を握って念流を習っているから、それぞれ使い手なのである。 諸国の
腕自慢の輩が武者修業の途中にちょッと百姓剣法をひやかしてやろうというので馬庭村へ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
たという。 この事件がもし他殺とすれば、非常に腕力を必要とする。ガマ六のような
腕自慢を一人で倒すには余程の力が必要であろう。 誰の目にも非力であると云われる....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
れたが、お鈴は案外ハッキリと、 「番頭さんは若い頃剣術や柔術の先生について大そう
腕自慢でしたから、モーロー車夫ぐらいに驚きません。そんな奴はオレの方が身ぐるみは....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ちゃア、ダメらしいや。師匠の看板なんざア、てんで物を云やアしねえや。ベラボーめ。
腕自慢のアンマが流して歩けるかい。いよいよ東京もつまりやがったな」 「お名ざしで....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
豊かの豪傑が逆上して暴れだして道往く者を誰彼かまわず突き殺しはじめたことがある。
腕自慢の若侍が数をたのんでとりかこんでも、またたくうちに突き伏せられてしまう始末....
「人生三つの愉しみ」より 著者:坂口安吾
我々はたいがい自分の芸ごとの話をする。大工でも左官でもそうである。色話か、自分の
腕自慢か、そんなものだ。百姓は違うのである。自分の作ッた米やナスは人の物よりも品....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
てすぐ眠るわけにもいかないから、三人で碁を打つことになった。 木村も升田も碁は
腕自慢だし、私も文士のうちでは強い方だ。みんな同じぐらいの腕前で、強い弱いを碁に....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
やりと笑った。五月末ごろから江戸中を脅《おびや》かしているこの一円の神隠し騒ぎ、
腕自慢の目明しや好奇《ものずき》半分の若い衆が夜を日に継いでの穿鑿《せんさく》も....