腰を上げる[語句情報] » 腰を上げる

「腰を上げる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腰を上げるの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
来るのと同じことである。半三郎は逃げようとした。しかし両脚のない悲しさには容易に腰を上げることも出来ない。そのうちに下役は彼の側《そば》へ来ると、白靴や靴下《く....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
所と客の住所姓名を訊く。終ると、「金は夕方取りに来とくなはれ」と無愛想に言って、腰を上げると、取つく島のない気持でぽかんとしている客の顔を見向もしないで階段を上....
三四郎」より 著者:夏目漱石
ぐ立った。三四郎はやはりすわっていた。 「どれぼくも失礼しようか」と野々宮さんが腰を上げる。 「あらもうお帰り。ずいぶんね」と美禰子が言う。 「このあいだのもの....
」より 著者:金史良
のだろう、諸君も知っているのだ。炊事場の掃溜場から、叺を吊した例の棒を肩に掛けて腰を上げると、籾、羽二重、村長を呟くかわりに、爺は斯う怒った様に喚くのである。 ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
に迷信退治をしてやらずばなるまい、と観念して、村正のおじさんなるものが不承不承に腰を上げると、子供たちが、やいのやいのと言って、廊下へそれを突き出す。村正のおじ....
自殺を買う話」より 著者:橋本五郎
私はとにかく行って見ることにした。勿論《もちろん》私が、常にもなくそう気軽に腰を上げることの出来たのは、一に友人を思う情の切なるものがあったからだが、そこに....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
はずだ!」 つぶやきながらも老売卜者は、懐しさ類うべきものもない――牀几から、腰を上げると立ち上がって、両手を見台の上へつくと、毛をむし筋だらけの首を、抜ける....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
ようとし、そして、すぐに帰って何食わぬ顔をしていた。 引き立てられて、佐平次が腰を上げると、土間にいた甚右衛門、泣くような瞳で主人を凝視《みつ》めた。この時、....
落日の光景」より 著者:外村繁
ぐ妻はそんなことを言う。私はまた帰りばなを失ってしまう。そんな風にして、私が漸く腰を上げるのは、いつも夕方近くなる。 その日も、私が阿佐ヶ谷に降りた時には、街....
無宿人国記」より 著者:吉川英治
た、三月か半年に、縮めようと努力している一角だった。 「どれ、そろそろ」 と、腰を上げると、繭買の銀六老人が、 「今夜は、白河で」 「いや、陽いッぱいに、大田....
ひとりすまう」より 著者:織田作之助
で、もう帰えろうと思ったが、宿に帰えっても仲々寝つかれないことが分っているので、腰を上げる気はしなかった。といって、帰えらぬ訳には行かぬ。いつ迄も夜更けの浜でじ....