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腰を掛ける
「腰を掛ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
腰を掛けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
から知り合いのような顔で、盞のやりとりをしていた。 「喧嘩は止し給え」豹一が席に
腰を掛けるなり、その一人がそう言って、盞を豹一に向けた。鼻の大きすぎるのが気にな....
「並木」より 著者:島崎藤村
》んだ。そこには人も居なかった。 「今日は疲れた」 と相川はがっかりしたように
腰を掛ける。原は立って眺め入りながら、 「相川君、何故《なぜ》、こう世の中が急に....
「藁草履」より 著者:島崎藤村
って拝見すると、郡長、郡書記なども「フロック・コォト」の折目正しく、特別席へ来て
腰を掛ける。双眼鏡を肩に掛け、白いしなやかな手を振って、柔かな靴音をさせる紳士は....
「義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
兵衛を先に一列に引き据えられている。刑吏たちが後から入って来る。刑吏の長、床几に
腰を掛ける) 刑吏の長 用意整うておるか。 刑吏一 万事整うておりまする。 刑吏....
「わが町」より 著者:織田作之助
に一度だからと珈琲二杯分三十銭の散財を決心して、随いてはいった。 向い合って、
腰を掛けると、元子は喋り続けた。 「ほんまに奢ってもらうし。――というのはな、今....
「雁坂越」より 著者:幸田露伴
ところからであろう。 源三の方は道を歩いて来たためにちと脚が草臥ているからか、
腰を掛けるには少し高過ぎる椽の上へ無理に腰を載せて、それがために地に届かない両脚....
「古狢」より 著者:泉鏡花
と顕われた。廓の美人で顔がきく。この権ちゃんが顕われると、外土間に出張った縁台に
腰を掛けるのに――市が立つと土足で糶上るのだからと、お町が手巾でよく払いて、縁台....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
ょうぞ。少い人、落ちまい……」と伸上る。 「大丈夫でございますよ。電信柱の突尖へ
腰を掛ける人でございますからね。」 「むむ、侠勇じゃな……杖とも柱とも思うぞ、老....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
とよ、こればかしが何だ。」といったが、あわれ身を支えかねたか、またどっさりと岩に
腰を掛ける。 お雪は失心の体で姿を繕うこともせず。両膝を折って少年の足許に跪い....
「薬」より 著者:井上紅梅
を喚び込んだ。奥の間のまんなかには細長い腰掛が一つ置いてあった。小栓はそこへ来て
腰を掛けると母親は真黒な円いものを皿の上へ載せて出した。 「さあお食べ――これを....
「倫敦の一夜」より 著者:岡本綺堂
にその進行を遮って、誰も彼も争って車の中に乗込んでしまって、余った者は馭者台にも
腰を掛ける、屋根にも攀じ登る。そうして、鬨の声をあげながら混雑のなかを乗りまわし....
「四月馬鹿」より 著者:織田作之助
うはしったか、やっとおでん屋を見つけて、暖簾をくぐると、 「ビール! ビール!」
腰を掛ける前から呶鳴っていた。 一本のビールは瞬く間だった。 「うめえ、うめえ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ファウスト
そんならあいつの持物でも己の手に入れてくれ。
あいつのいつも
腰を掛ける場所へでも連れて行ってくれ。
あいつの胸に触れたことのある巾でも、
沓....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
二人が丁寧に罪人の左右の臂を把って、椅子の所へ連れて来る。罪人はおとなしく椅子に
腰を掛ける。居ずまいを直す。そして何事とも分からぬらしく、あたりを見廻す。この時....
「わが町」より 著者:織田作之助
の機械を大きくしたようなプラネタリウムが据えられ、それを囲んで椅子が並んでいる。
腰を掛けると、椅子の背がバネ仕掛けでうしろへそるようになっていた。まるで散髪屋の....