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「腰巻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腰巻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
姪子」より 著者:伊藤左千夫
牛を庭の柿の木の蔭《かげ》へ繋《つな》いで、十になる惣領《そうりょう》を相手に、腰巻一つになって小牛を洗ってる、刈立ての青草を籠に一ぱい小牛に当てがって、母子が....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
知りませんが、やっぱり上州の赤城の山のなかに素裸で死んでいたそうです。着物も帯も腰巻も無しで……。誰かに身ぐるみ剥《は》がれて、絞め殺されたんでしょう。死骸の二....
追憶」より 著者:芥川竜之介
とみえ、寂しい海辺を歩いていた。そのまた海辺には人間よりも化け物に近い女が一人、腰巻き一つになったなり、身投げをするために合掌していた。それは「妙々車」という草....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
方によって洗っていた。 このふたりは湯をあがってからも、必らず立ち話した。男は腰巻き一つで、うちわを使いながら、湯の番人の坐っている番台のふちに片手をかけて女....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
る。あの粋な築山も古木も見えず。支那風のくりぬきから中をのぞけば、奥の方に桃色の腰巻が乾してあるのが目についた。僅かに南浦園のかおりがする。 角に消防署がある....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
まった。 「おまえは、今日体操の時間に、男の先生に脇の下から手を入れてもらってお腰巻のずったのを上へ上げてもらったろう。男の先生にさ――けがらわしい奴だ」 「お....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
興行物があった。凡そ十丈もあろうかと思うほどの、裸体の人形で、腰には赤の唐縮緬の腰巻をさして下からだんだん海女の胎内に入るのです。入って見ると彼地此地に、十ヶ月....
黒百合」より 著者:泉鏡花
た、これへ女扇をぐいと差して、膝の下の隠れるばかり、甲斐々々しく、水色|唐縮緬の腰巻で、手拭を肩に当て、縄からげにして巻いた茣蓙を軽げに荷った、商帰り。町や辻で....
異妖編」より 著者:岡本綺堂
の果て、洲崎堤の枯蘆のなかにその亡骸を横たえているのを発見した者があった。お兼は腰巻ひとつの赤裸でくびり殺されていたのである。お兼は素足になっていたが、そこには....
多神教」より 著者:泉鏡花
あ、まあ。 神職 構わず引剥げ。裸体のおかめだ。紅い二布……湯具は許せよ。 仕丁腰巻腰巻……(手伝いかかる。) 禰宜 おこしなどというのじゃ。……汚れておろう....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
んな景気を附けるでもなく、唯浴衣の裾を端折っただけで有った。赤の色褪めた唐縮緬の腰巻が、新堀割の濁った水の色や、小堤下の泥の色に反映して、意外に美しく引立って見....
壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
薬草採りに参ったのじゃ」 そう呼んだけれど、婦人は振向いても見なかった。濡れた腰巻のまま、岸に置いた衣類を引抱えて後をも見ずに走り出した。子供達も皆同じように....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
や、大師河原の梨の実など並べていた。デブデブ肥満った漁師の嬶さんが、袖無し襦袢に腰巻で、それに帯だけを締めていた。今時こんな風俗をしていると警察から注意されるが....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
納戸の棒縞糸織の袷、薄紫の裾廻し、唐繻子の襟を掛て、赤地に白菊の半襟、緋鹿の子の腰巻、朱鷺色の扱帯をきりきりと巻いて、萌黄繻子と緋の板じめ縮緬を打合せの帯、結目....
雪柳」より 著者:泉鏡花
も持っていない、渋団扇で松葉を燻していません。ただ黒い瓶を一具、尻からげで坐った腰巻に引きつけて、竹箆で真黒な液体らしいものを練取っているのですが、粘々として見....