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腰折れ
「腰折れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
腰折れの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「私の父と母」より 著者:有島武郎
るほどで、かなり豊かにもっている。今でも時々やっているが、若い時にはことに好んで
腰折れを詠《よ》んでみずから娯《たのし》んでいた。読書も好きであるが、これはハウ....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
ら御沙汰があったそうな。そこで叔父御が言わしゃるには、おれも長年烏帽子こそ折れ、
腰折れすらも得《え》詠《よ》まれぬは何《なん》ぼう無念じゃ。こういう折りによい歌....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
かかっていると、相手の多左衛門は絵馬をかかえて家出をしてしまったので、この計画は
腰折れの形になりました。それでも丸多の女房や番頭を嚇かせば、まだ幾らかになると思....
「旅愁」より 著者:横光利一
ま床下に俯向いていて、今にも吐きそうな苦しげな姿勢をしていた。鈍い電灯の下でその
腰折れ客はときどき咽喉を鳴らした。
矢代は見ていても別に二人の姿が気にかからな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いるが、尺八を吹くといったことを聞かない」 「中口ではありませんか」 「中口は、
腰折れの悪口こそは言うが、尺八などはわからない男だ」 「そのほかに、われわれの同....
「死者の書」より 著者:折口信夫
と、おなごぶりが上るぞな、と笑う者もあった。 ここの田居の中で、植え初めの田は、
腰折れ田と言うて、都までも聞えた物語りのある田じゃげな。 若人たちは、又例の蠱物....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ても尤《もっと》ものように押だまって辛棒強く働いていた。手跡はお家流をよく書き、
腰折れの一首もものし、貧乏の中に風流を解するゆとりもあり、容貌《きりょう》は木魚....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
なりわれは若葦笛ならましを (うたのこころはあなたにこそ、けれども玄人はこれを
腰折れと申しましょう、平気よ) ここには大体一週間ばかりの予定で居ります、そし....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
前路を遮るために、汽笛を鳴らして過ぐ。潮流、暖を送り来たる。午時、一声の雷あり。
腰折れ二、三首、左に録す。 海原に絶えて桜のあらざれは、波の花みて春をしのばん ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
覚え候うて、又いつもの持病かや、旅にさまよい出で候 左の一首は、又の旅出に即興の
腰折れ、おわらい賜わるべく候 乾坤を そのまま庭と 見るときは われは浮世の 家....