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「腰抜け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腰抜けの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
ぬしは己《おれ》が昔のように立ち上れると思うているのか? 己は居《い》ざりじゃ。腰抜けじゃ。」 伝吉は思わず一足《ひとあし》すさった。いつか彼の構えた刀はぶる....
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
ゅうとめ》のお鳥を見舞うのだった。お鳥は玄鶴の寝こまない前から、――七八年前から腰抜けになり、便所へも通えない体になっていた。玄鶴が彼女を貰ったのは彼女が或大藩....
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
見込みはない。一生うもれ木と覚悟しなければならない。年の若い外記が自分から進んで腰抜け役の小普請入りなどを願う筈がないのは、彼が日ごろの性質から考えても判ってい....
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
というものです。その意地をわれわれから取り除《の》けてしまったならば、われわれは腰抜け武士になってしまう。徳川家康のエライところはたくさんありますけれども、諸君....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
焔のごとくひらめきつ。 「絶交はされてもかまわんが、金は出してもらうというのか。腰抜け漢!」 「何?」 気色立つ双方の勢いに酔いもいくらかさめし山木はたまり兼....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、烈しい口論がありました。口論ではなく家老がお供の者たちを罵《ののし》って、 「腰抜け! たわけ者! ナゼその場で神尾主膳を討って取らぬ、その場で討つことが叶《....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
だから斬れまいねえ」 「ナニあれは剣術を知らないのだろう、侍が剣術を知らなければ腰抜けだ」 などとさゝやく言葉がちら/\若い侍の耳に入るから、グッと込み上げ、....
黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
やらねばならなかった。 「お房! お房! お房や!」 斯う呼びながら、其処へ、腰抜け同様になって長い間床に就いているお婆さんが、襤褸を曳摺って奥の部屋から這出....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
な柔術取りの名人とは今まで知らなかった、酔っぱらってひっくり返ってばかりいるから腰抜けかと思ったら、やっぱりそれじゃあ、なんでござんすかな、道庵先生は柔術の方も....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
趣か、辻斬か知らないが、二人で一人を斬って、その最期も見届けずに逃げてしまうのは腰抜けである。それはあるべからざることだから、多分、その二人も傷ついて、そこらに....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、一人もなかった。――『あんな人間が多すぎる』と彼らは言っている。――がまったく腰抜けが多すぎる。誠実でありながら卑怯である者が多すぎるのだ。」 「ではどうせよ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
私の仲間が過去のりっぱな秩序を回復しようとしてるのは道理《もっとも》です。」 「腰抜けだね!」とクリストフは言った。「そんな弱虫が何になるものか。」 「私は弱虫....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
。おまえみたいな、できそこないの邪悪なやつを、もう一人つくる気はないのだ。」 「腰抜けめ、このまえ筋みちを立てて話して聞かせたが、おまえはわたしの謙遜に価いしな....
南国太平記」より 著者:直木三十五
の中へ立って 「隼人の名の汚れを、知らぬか。生臭風情に罵られて、それが、隼人か。腰抜け。斬ってやる。参れ――大阪での勝負のつづきだ――うぬ、人の邪魔立をして――....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
そればかりか、その無念さのおかげで、ひょっとすると一生涯、われながら見さげ果てた腰抜け野郎だと、自分で自分を阿呆あつかいにするようにさえ、なり兼ねないものでもな....