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「腰掛け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腰掛けの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
た金曜日の夕方に挨拶し、友人が来ると、「よくお出で」と言い、講堂では前列の椅子に腰掛け、講師の右手の所に陣取る。講演を聞きながら、時々前にかがみ、講演がすむと、....
魚河岸」より 著者:芥川竜之介
理を平げさすと、二人とも中々《なかなか》健啖《けんたん》だった。 この店は卓も腰掛けも、ニスを塗らない白木《しらき》だった。おまけに店を囲う物は、江戸伝来の葭....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
その辺に腰でもかけるとしようか。』 『ほんにそうでございました。丁度ここに手頃の腰掛けがございます。』 私達は三|尺ほど隔てて、右と左に並んでいる、木の切株に....
銀座は昔からハイカラな所」より 著者:淡島寒月
ら数はたった二台しかありませんでした。馬は四頭立で車台は黒塗り、二階は背中合せに腰掛けるようになっていて梯子は後部の車掌のいる所に附いていました。馭者はビロード....
一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
赤切符だ。 B 人間は皆赤切符! やっぱり話せるな。おれが飯屋へ飛び込んで空樽に腰掛けるのもそれだ。 A 何だい、うまい物うまい物って言うから何を食うのかと思っ....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
湯気の裏へすっきりと、出たのを一目、驚いた顔をしたのは、帳場の端に土間を跨いで、腰掛けながら、うっかり聞惚れていた亭主で、紺の筒袖にめくら縞の前垂がけ、草色の股....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
音が通い、雫を帯びて、人待石――巨石の割目に茂った、露草の花、蓼の紅も、ここに腰掛けたという判官のその山伏の姿よりは、爽かに鎧うたる、色よき縅毛を思わせて、黄....
婦系図」より 著者:泉鏡花
であった。――銀杏返しに結った、三十四五の、実直らしい、小綺麗な年増が、ちょうど腰掛けの端に居て、直ぐにそこから、扉を開けて、小児を迎え入れたので、さては乳母よ....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
き枝珊瑚の椅子、人なくしてただ据えらる。その椅子を斜に下りて、沖の僧都、この度は腰掛けてあり。黒き珊瑚、小形なる椅子を用いる。おなじ小形の椅子に、向って正面に一....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
のが傷しさに、蹈台の蚊をしきりに気にした 蹈台の蚊は、おかしいけれども、はじめ腰掛けた時から、間を措いては、ぶんと一つ、ぶんとまた一つ、穴から唸って出る……足....
清心庵」より 著者:泉鏡花
を隔つる思いあり。青き袷に黒き帯して瘠せたるわが姿つくづくと※しながら寂しき山に腰掛けたる、何人もかかる状は、やがて皆|孤児になるべき兆なり。 小笹ざわざわと....
古狢」より 著者:泉鏡花
ません? おっかさん(外套氏の従姉をいう)ならですけど、可厭よ、私、こんな処で、腰掛けて一杯なんぞ。」 「大丈夫。いくら好きだって、蕃椒では飲めないよ。」 と....
山吹」より 著者:泉鏡花
宗の竹藪と、槻の大樹あり。この蔭より山道をのぼる。 狭き土間、貧しき卓子に向って腰掛けたる人形|使――辺栗藤次、鼻の下を横撫をしながら言う。うしろ向のままなり。....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
つ、手は後様に骨盤の辺に組み合せて、所作なき時は立ちながら憩いぬ。要するに吾人が腰掛けて憩うが如く、乞食僧にありては、杖が鼻の椅子なりけり。 奇絶なる鼻の持主....
映画と民族性」より 著者:伊丹万作
もいない。いるのは軍人と金持だけであり、それが立派な洋館に住み、洋服を着て椅子に腰掛け、動けば雄大なる構想をもつて大活躍を演ずるというのが彼らのいう外地向きの映....